ALSOK杯第74期王将戦第3局が2月5日・6日に東京都立川市「オーベルジュ ときと」で行われました。
後手の藤井聡太王将(22)が永瀬拓矢九段(32)を19時3分、134手で下し、
シリーズ成績を3勝0敗とし、4連覇まであと1勝に迫りました。
次戦、第4局は2月15日(水)から16日(木)にかけて、
大阪府高槻市の「摂津峡花の里温泉 山水館」で開催されます。
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封じ手は△8一飛車
8時59分、立会人の青野九段が封じ手を開封しました。
そこに書かれていたのは△8一飛車。これも指したかった一手です。
この「下段飛車」は守りの手であり、△8一飛と指すことで4一への「割り打ちの銀」を防ぐことができます。
「割り打ちの銀」とは、飛車や金が1マス空けて横並びになっているとき、その斜め後ろに銀を打ち、両取りを狙う手筋のことを指します。
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おやつ
藤井聡太王将のおやつ | 永瀬拓矢九段のおやつ |
「巨峰レーズン おこっぺバターサンド」、「狭山和紅茶」 | 「四つ星苺のシャルロット 練乳エスプーマとトンカ豆ソース」、 「金の抹茶アイスラテ」、「ホットブレンドハーブティー」 |
サクッとしたクッキーの食感と、口の中でほどける濃厚バタークリームが贅沢な味わいを演出。 巨峰レーズンの甘酸っぱさがアクセントとなり、後味も上品。 合わせた「狭山和紅茶」は、渋みが少なくまろやかで、ほのかな甘みが広がる優雅な風味。 バターサンドのコクと見事に調和し、上品なティータイムを演出してくれる組み合わせでしょう。 「かおる」も食べたい | 美味しいものは何度でも、ということで3連投になりました。 「かおる」も食べたい |
形勢は互角
封じ手から数手進み、飛車角交換を経て、92手目に藤井王将は△2九飛と打ちました。
本来なら△2八飛と打ち、桂馬と金の両取りを狙いたいところですが、
永瀬九段から▲1七角と打たれる手を警戒したのかもしれません。
お昼前の時点では、永瀬九段が桂得の状況ではあるものの、互角の展開が続いています。
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ランチ
藤井聡太王将のランチ | 永瀬拓矢九段のランチ |
「かじか出汁のラーメン(自家製麺、柔豚チャーシュー、 行者にんにくミニチャーハン、猪の春巻き)」、「和紅茶」 | 「うな丼(う巻き、お吸い物、香の物)」、「ハーブティー」 |
麺類を好む藤井王将らしい選択ですね。 これは食欲をそそります。 「かおる」も食べたい | 一日目と同じでした。 何回も食べたくなるランチですね。 「かおる」も食べたい |
千日手を回避、勝負する藤井王将
97手目▲3七角打に対し、千日手の可能性が囁かれる中、
藤井王将は1時間2分の大長考の末、△3六歩打を選択しました。
この一手は千日手を回避し、積極的に局面を打開するものです。
後手番の藤井王将にとって千日手も一つの選択肢でしたが、勝負に出ました。
その結果、永瀬九段がやや優勢となりました。
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藤井王将の勝負手に対し、永瀬九段はほぼ最善手を指し続けました。
しかし、113手目幻の一手を逃し、形勢は一転、藤井王将が優勢となりました。
永瀬九段は自然な一手とされる▲4四桂を指しましたが、
もしこれが敗着とされるなら、やむを得ない展開だったのかもしれません。
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かおる
楽しそうな感想戦!
幻の一手の局面で藤井王将がボソッと
「▲6二銀はどうですか?」と。
やはり、気づいていました。
永瀬九段は、全然考えていませんでした、と言いながら指し手を藤井王将に聞いていましたよ。
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藤井王将の際どい受け
逆転後、永瀬九段は捨て身の攻撃で藤井玉に迫ります。
一手間違えれば奈落の底――。
しかし、藤井玉はいつものように際どい受けを披露し、土俵際で踏みとどまりました。
そして△3四歩を見た永瀬九段は、がっくりとうなだれ、
しばらく沈黙した後、静かに投了を告げました。
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