第83期名人戦第4局千日手指し直し局が5月17日・18日に大分県宇佐市「宇佐神宮」で行われました。

先手の永瀬拓矢九段(32)が、激戦の末、22時16分に141手で藤井聡太王将(22)を破りました。

この勝利でシリーズ成績は1勝3敗となり、永瀬九段が反撃の狼煙を上げ、望みを繋ぎました。

次戦、第5局は5月29日(木)から30日(金)にかけて、

茨城県古河市の「ホテル山水」で開催されます。

名人戦第4局3日目

戦型は角換わり早繰り銀

千日手となった前局の終局時刻は17時3分でした。

封じ手時刻まで1時間27分あったため、本局ではその残りの時間を折半し、両者の持ち時間から43分ずつを引くことになりました。

これにより、先手の永瀬九段の持ち時間は6時間26分、後手の藤井名人の持ち時間は3時間44分で対局が始まりました。

第3局では、後手の藤井名人が△3四歩と指し、雁木模様から矢倉へと変化する戦型となりましたが、持ち時間に大きな差があったことが影響したのでしょうか。

本局では、永瀬九段が角換わり早繰り銀を選択しました。

一般的に、藤井名人は持ち時間が少ない場合、角換わりを選ぶ傾向があると言われています。

中盤、両者が角を手放す展開となりましたが、44手目の局面は、角換わり早繰り銀の将棋でよく見られる形となりました。

早繰り銀

2日目午前のおやつ

藤井聡太名人のおやつ永瀬拓矢九段のおやつ
みならいゆずクリームどらやき(どらやき+みならい)
USA産ブルーベリーフローズン(藍苺=ブルーベーリー=GARDENイロハノホトリ)
いちごモンスター(苺の丘)
USA産ブルーベリーフローズン
(藍苺=ブルーベリー=GARDENイロハノホトリ)
しっとり生地と爽やかなゆずクリームが絶妙な「みならいゆずクリームどらやき」。
冷たくて甘酸っぱい「USA産ブルーベリーフローズン」は、リフレッシュにぴったりですね。
午前中の対局、集中力がさらに高まりそうです。
「かおる」も食べたい
永瀬九段は前日と同じ、苺とブルーベリーを贅沢に堪能できるラインナップを選択!
「かおる」も食べたい

2日目ランチ

藤井聡太名人のランチ永瀬拓矢九段のランチ
旨味凝縮!特製つけ麺(きのこ抜き、麺屋いち一)
大紅袍茶(HotPot Chai)
安心院すっぽん名人御膳(料亭やまさ旅館)
宇佐米勝ちえびまんだこっち焼き(Caro USA)
シトラスジンジャーYell(くだものかふえ)
苺みるくフラッペ(KURU)
「旨味凝縮!特製つけ麺(きのこ抜き)」は、名前の通り出汁の旨みが際立つ濃厚な味わいでしょう。
つるつるの麺がその旨みをしっかりと絡め取り、食欲をそそります。
本日も「きのこ抜き」でした。
「かおる」も食べたい
滋味深く、滋養満点なすっぽん料理は、口にした瞬間から力が湧いてくるようです。
午後の激戦に向けて、最高のエネルギーチャージとなるでしょう。
「かおる」も食べたい

藤井名人の△4四銀に形勢が45%にダウン

午後に入り、最初に藤井名人が指したのは△4四銀でした。

左辺の壁を解消し、一見悪手には見えないこの一手でしたが、AIによる形勢判断は突如として45%まで低下しました。

トップレベルの棋士の対局において、形勢45%は明確な劣勢を示しており、藤井名人にとっては珍しい局面と言えるかもしれません。

形勢45%

永瀬九段が▲7四歩と仕掛けると、次に予想される▲7三銀打が、藤井名人を苦境に立たせているようです。

一見、△7二金と上がって受け止めているように見えますが、この手に対しては飛車の横利きが消えてしまうため、永瀬九段から▲2三銀という手痛い打ち込みが予想されます。

もし飛車の横利きが生きていれば、▲2三銀と打たれても、△3三金と上がって粘り強く受けることができるようです。

2日目午後のおやつ

藤井聡太名人のおやつ永瀬拓矢九段のおやつ
勝っちゃんシェイクいちごモンスター
ゴロゴロ苺のミルキーシェイク
宇佐産いちごスムージー
「やきいも」と書かれています。
飲む焼き芋ですね。
ほっこりとした甘さと冷たいシェイクの組み合わせが絶妙で、リラックス効果もありそうです。
午後の対局に向けて、甘さと冷たさで気分転換できたのではないでしょうか。
2日間で、相当量のいちごを堪能してます。

永瀬九段 まさかの7三に歩を垂らす

▲7四歩の垂らしは有力な一手として検討されていましたが、歩を持っていた永瀬九段は、なんと▲7三歩と、さらに一歩奥に垂らす意表の一手を見せました。

熟考の末、ひねり出したような印象を受けます。

もしここで△同桂と応じれば、事前に突き捨てていた9筋の歩が効果を発揮し、▲9五香と歩を取り、さらに▲7四歩と攻め込む筋が生じます。

永瀬九段の狙いは明快で、▲7二銀と打ち込む一手でしょう。

それに対し、藤井名人は間髪入れずに△5六角と反撃しました。

この後、永瀬九段がどのような構えを見せるのか、目が離せません。

意表の▲7三歩

2日目夕食休憩

藤井聡太名人の夕食休憩永瀬拓矢九段の夕食休憩
勝ち勝ち海老の天茶(よし成 天婦羅たか)大黒とり天濃厚温玉ぶっかけセット(うどんや大黒)
宇佐米勝ちえびまんだこっち焼き
インド本格紅茶のスペシャルティー(いずれもCaro USA)
苺みるくフラッペ(KURU)
藤井名人も、何か験担ぎをされたのでしょうか。
「勝ち勝ち海老の天茶」は、対局中にもサッと食べやすそうなメニューですね。
「かおる」も食べたい
永瀬九段の軽食は、まさに盛りだくさんでした。
品数も栄養も豊富なメニューを選ばれたあたり、
彼ならこれくらいしっかり召し上がるだろうと納得です。
「かおる」も食べたい

時間差接近 ほぼ互角

2時間以上あった時間差が、いつの間にか20分程度まで縮まっていました。

藤井名人の猛追は目覚ましく、ついに形勢は互角に近いところまで持ち直しました。

夕食休憩でリフレッシュした両者。いよいよここからが、本当の勝負どころとなります。

完全に互角の展開に

藤井名人 優勢に

夕食休憩前まで拮抗していた本局の流れは、永瀬九段の▲5六歩を境に一変、藤井名人に傾きました。

その後の進行で、永瀬九段の八三の金がタダ取りされることが判明。

永瀬九段は持ち時間を費やして金を守ろうとしましたが、その間に時間差はほぼなくなり、形勢は一気に藤井名人が優位へと転じました。

藤井名人が優勢

藤井名人 まさかの・・・

「あとはどう詰めるのだろうか」と見守っていた矢先、ほんのわずかなミスから局面がほころび、まさかの大逆転を許してしまいました。

二日間を通して、本調子ではなかったのかもしれません。

随所に素晴らしい妙手も見られましたが、惜しくも読み切れていない部分があったようです。

しかし、この敗戦によって、5月にもう一度熱戦を観戦できる機会が生まれたと捉えましょう。

次局を楽しみに、前向きに気持ちを切り替えていきたいと思います。

かおる

勝ったと余裕で見ていたのに・・・(泣)