第96期棋聖戦第3局が6月30日、千葉県木更津市「龍宮城スパホテル三日月」にて行われ、
後手の藤井聡太棋聖(22)が杉本六段(27)に18時31分、84手で勝利。
シリーズ成績を3勝0敗で棋聖位を防衛、見事6連覇を達成しました。

戦型はゴキゲン中飛車
2連敗で後がなくなった杉本六段は、先手番となった本局でゴキゲン中飛車を選択しました。
これは飛車を盤の中央に配置し、中央からの突破や相手玉への直接的な攻撃を狙う、攻撃重視の戦法です。
女流棋士の福間香奈女流六冠が頻繁に採用していることでも知られています。
対する藤井棋聖は、先手番中飛車に対して右銀を6四に繰り出す「超速」という対策を取るのが得意なため、
杉本六段もこの展開を読んで周到な準備をしてきたと思われます。
しかし、27手目までの消費時間がわずか2分だったことからもわかるように、
藤井棋聖の△2ニ玉が杉本六段の想定外の一手だったのかもしれません。

午前のおやつ
藤井聡太棋聖のおやつ | 杉本和陽六段のおやつ |
甘美なブルーベリータルト アイスレモンティー | オリジナルシルキーコッタ 苺のショートケーキ ありの実(梨)ジュース、アイスレモンティー |
サクサクのタルト生地と、ぎっしり詰まったブルーベリーの組み合わせは、 脳に活力を与えるのにぴったりだったでしょう。 「かおる」も食べたい | シルキーコッタは、その名の通り「シルクのような」なめらかな口当たりが想像でき、 口の中でとろけるような食感と、優しい甘さが広がる一品だったことでしょう。 そこに、定番人気の苺のショートケーキが加わることで、 苺の甘酸っぱさと生クリームのコクが、 また違った満足感を与えてくれたはずです。 「かおる」も食べたい |
ランチ
藤井聡太棋聖のランチ | 杉本和陽六段のランチ |
カリっとジュワー油淋鶏セット | ぷりぷり海鮮丼 |
箸を進めれば、まず衣のカリっとした軽快な食感が、 そして噛みしめるほどに、鶏肉からあふれ出すジューシーな肉汁が口いっぱいに広がったことでしょう。 甘酸っぱいタレが鶏肉の旨みを一層引き立て、ご飯が進むことは間違いありません。 午前中の対局で集中力を研ぎ澄ませた藤井棋聖にとって、 このメリハリのある味わいは、午後の戦いへの活力を与えてくれる、 まさに最適な一品だったのではないでしょうか。 「かおる」も食べたい | 一口食べれば、それぞれの素材が持つ豊かな旨みが口いっぱいに広がり、 午前中の対局で消費したエネルギーを美味しく補給できたことと思います。 「かおる」も食べたい |
午後のおやつ
藤井聡太棋聖のおやつ | 杉本和陽六段のおやつ |
オレンジジュース、ブルーベリージュース | カラフルフルーツタワー 苺のショートケーキ ジンジャーエール、アイスレモンティー カツサンド(軽食) |
いつものようにダブルドリンクでした。 今回は対照的なおやつで、 それぞれの個性が出ていましたね。 | まず目を引くのは、その名の通り彩り豊かなフルーツが積み上げられたカラフルフルーツタワー。 旬のフルーツがふんだんに使われ、自然な甘さと瑞々しさが口いっぱいに広がったことでしょう。 そこに、午前のおやつでも登場した苺のショートケーキが加わることで、 クリーミーな甘さと苺の酸味が絶妙なハーモニーを奏でたはずです。 飲み物には、喉をすっきりとさせるジンジャーエールと、 定番のアイスレモンティーをチョイス。 甘いおやつとの相性も抜群で、気分転換にも最適です。 そして特筆すべきは、軽食のカツサンド。 これは「もし千日手になってもいいように」という、 対局が長引く可能性をも見越した、まさにプロの準備と言えるでしょう。 「かおる」も食べたい |
木村一基九段も驚く、驚異的な見切り
75手目、杉本六段が放った▲3ニ金の王手。
この局面で玉を逃げる選択肢は、金2枚で盤石の先手玉に対し、
後手は駒を打たれては駒が入ると寄ってしまうため、
△3ニ同飛▲同成銀△同玉▲5ニ飛で王手と見られていました。

ここで藤井棋聖が選んだのは、まさかの玉を寄る一手でした。
この選択には、誰もが驚きを隠せませんでした。
本局の立会人で、「千駄ヶ谷の受け師」として知られる木村一基九段でさえも、
この局面で玉を寄る手はないと見ていたのです。
木村九段といえば、相手の攻撃を巧みに受け流し、そこから粘り強く反撃に転じる棋風で有名です。
まさにその木村九段のお株を奪うかのような**△1ニ玉**。
さらに、AIもこの手を否定していないことから、藤井棋聖は完璧に受け切っていると見られています。

まさかの玉寄りに動揺したのでしょうか。
局面はまだ難しいと見られていましたが、藤井棋聖の強気な攻めに、杉本六段は対応を誤ってしまいました。
ここから8手目△2七銀と王手をかけられると、杉本六段は姿勢を低くし、深くうつむいてしまいます。

残り時間はわずか18分。
苦悩しながら考え続けたものの、打開策はないと悟った杉本六段は、一分将棋に入った直後、「負けました」と静かに頭を下げました。
この結果、藤井棋聖は通算30期目のタイトル獲得という偉業を達成しました。