第66期伊藤園お~いお茶杯王位戦第5局が8月26日・27日に徳島県徳島市の「渭水苑で行われました。

先手の永瀬拓矢九段(32)藤井聡太王位(23)を15時47分、91手で下し、2連勝

シリーズ成績を2勝3敗としました。

次戦、第6局は9月9日(火)から10日(水)にかけて、

静岡県牧之原市の「平田寺」で開催されます。

第66期王位戦第5局

藤井王位、1日目に「龍」を作らせる! どこまでが研究だったのか?

2日制の将棋は、AIの進化とともに研究の進行が速くなっています。

そんな中、1日目にして「馬」ではなく「龍」が出来るという異例の展開を見せました。

AI評価は互角。

それでも、リスクを冒してまでこの形を目指した藤井王位の狙いは、いったいどこまでが研究の範疇だったのでしょうか。

アマチュアなら「龍を作れば勝ち」と思ってしまいがちですが、本局はそうした常識を覆す一局だったのかもしれません。

早くも龍を作る

2日目午前のおやつ

藤井聡太王位のおやつ永瀬拓矢九段のおやつ
季節のフルーツアイスティー季節の和菓子抹茶
ホットコーヒー
藤井王位が注文したのは、彩り鮮やかな季節のフルーツ盛り合わせ
ぶどう、スイカ、桃など、みずみずしい旬のフルーツがふんだんに盛り付けられています。
藤井王位がフルーツを注文されるのは大変珍しいです。
「かおる」も食べたい
永瀬九段の午前のおやつは、涼しげな季節の和菓子に、
香り豊かな抹茶とホットコーヒー。
和菓子の上品な甘さを抹茶のほろ苦さが引き立て、
さらにコーヒーが心地よい余韻を添える、バランスの取れたひとときだったでしょうか。
「かおる」も食べたい

強気に踏み込む藤井王位

2日目の朝11時4分、藤井王位は強気の一手、▲8六桂を放ちました。

これは、歩の頭に桂馬を打つ、最終盤の矢倉崩しでしばしば見られる攻めです。

盤面はすでに決まっている、というよりは、むしろ劣勢を認めた上での勝負手のように思えます。

AIの形勢判断も「勝負あり」と藤井王位の劣勢を示しています。

この局面で、藤井王位に起死回生の逆転手は飛び出すのか。

いよいよ目が離せない戦いになってきました。

歩頭桂

2日目ランチ

藤井聡太王位のランチ永瀬拓矢九段のランチ
鉄火丼
焼茄子と祖谷蕎麦

ホットコーヒーと水菓子
鉄火丼
半田素麺、ポテトサラダ、しらすおろし、祖谷蕎麦、フィッシュカツ

ホットコーヒーと水菓子
藤井王位のランチは、新鮮なマグロが艶やかに並ぶ鉄火丼に
香ばしくとろける焼茄子、
素朴な味わいの祖谷蕎麦が添えられ、
涼やかで満足感ある組み合わせでした。
「かおる」も食べたい
永瀬九段も同じく、鉄火丼を注文。
小鉢は少し多め。
形勢もよく、美味しく頂けたでしょう。
「かおる」も食べたい

1時間半残しての投了

やはり、どこかに誤算があったのでしょうか。

藤井王位が90分もの時間を残して投了するのは、非常に珍しいことです。

投了図

上図は投了図です。

91手目▲7一銀は、例えば△7七歩成とすると、▲5三龍からの詰めろとなっています。

例えば、△同金▲8一銀△同玉▲7四桂△9三玉▲8五桂△8四玉▲6ニ角△7五玉▲7六金△同と▲同銀△同玉▲6七金△8六玉▲8七金△8五玉▲8三飛車まで19手詰です。

自玉の詰みを認めた藤井王位は3分考えて、そのまま投了しました。

スケジュール調整の難しさから、研究や準備が十分でなかった可能性も考えられます。

しかし、9月は王座戦とのダブルタイトル戦が控えてはいますが、例年、調子を上げてくる季節でもあります。

この悔しさを糧に、次局でさらに進化した将棋を見せてくれるでしょう。巻き返しに期待したいところです。