第73期王座戦第局が10月7日、神奈川県秦野市「元湯陣屋」にて行われ、
先手の藤井王座(23)が伊藤叡王(22)に20時3分、99手で勝利し、2勝2敗。決着は最終局に持ち越されました。
次戦は10月28日(火)に山梨県甲府市「常磐ホテル」で開催されます。

伊藤叡王 秘策を用意
先手番の藤井王座は、主戦場である角換わりを目指します。
ところが、10手目、伊藤叡王は角交換に応じず、△4四角と上がってきました。
これは早くも、藤井王座の得意戦法を避け、新たな注文をつけた形です。このタイミングで角を4四に据えるのは、公式戦では初めてとなります。

ランチ
| 藤井聡太王座のランチ | 伊藤匠叡王のランチ |
| 陣屋カレー(伊勢海老)、アイスレモンティー | 陣屋カレー(ビーフ)、アイスティー |
| 陣屋と言えばカレーです! 藤井王座は伊勢海老を、伊藤叡王はビーフを注文しました。 「かおる」も食べたい | ほろほろに煮込まれたビーフの旨みがルーに溶け込み、 ほどよいスパイスが食欲をそそります。 コク深く上品な味わいで、 対局中の活力をしっかりと支えてくれる一皿です。 「かおる」も食べたい |
おやつ
| 藤井聡太王座のおやつ | 伊藤匠叡王のおやつ |
| 和菓子(練り切り) 抹茶、オレンジジュース | 和菓子(おまんじゅう) 抹茶 |
| 季節を映す練り切りは、繊細な見た目と上品で優しい甘さが、 対局の緊張感をふっと和ませます。 それに寄り添う抹茶は、濃厚な香りと奥深いほろ苦さが、 練り切りの甘さと見事に調和。 キリッと引き締まった味わいが、 集中力を研ぎ澄ませてくれるかのようです。 「かおる」も食べたい | おまんじゅうに、濃厚で力強い香りの抹茶が ぴったりと寄り添います。 抹茶の持つ爽やかな苦みと渋みが、 餡の甘さをすっきりと受け止め、 後味を洗練させます。 「かおる」も食べたい |
飛車の捕獲を狙う
53手目、藤井王座は桂馬を跳ねました。
アマチュアなら▲8七歩と打ち、飛車を追い返すところだが、
藤井王座の手には、どこかで香車を持ち駒にし、▲8七香として飛車を捕獲する狙いが見えます。
しかし、飛車が下段からずれた瞬間、反撃として飛車を成られてしまうのが怖いところ。
だが、藤井王座ほどの深い読みがあれば、「怖い」という認識は一切ないのだろう。
現時点での形勢は、完全に互角です。

夕食
| 藤井聡太王座の夕食 | 伊藤匠叡王の夕食 |
| 天麩羅そば・冷 温かいお茶 | 天麩羅そば・冷 アイスティー |
| 冷静な局面の合間に選ばれた「天麩羅そば(冷)」は、思考を妨げない軽やかさが魅力です。 冷水で締まったそばは喉ごしが良く、 対局で集中力を研ぎ澄ませている藤井王座にとって、 適度な満腹感とリフレッシュをもたらす一品と言えるでしょう。 「かおる」も食べたい | 永瀬九段なら、カレーの連投だったでしょう。 「かおる」も食べたい |
藤井王座が優勢へ
82手目、伊藤叡王は△8九飛成と龍を作りました。
藤井王座の守りは堅いとはいえ、玉の傍に強力な龍があるのは、非常にプレッシャーが大きい。
83手目、藤井王座が指した手は▲6四角打だ。
これは、伊藤玉を直接狙いつつ、同時に2八の飛車に「ヒモ(利き)」を付ける、まさに一石二鳥の好手。
流石の妙手に見えるが、局面は依然として難解で、まだまだ戦いは大変なようだ。

伊藤叡王 1分将棋に入る
91手目、藤井王座が▲7七玉と上がった局面。
持ち駒が少ない駒不足の伊藤叡王は、最後の勝負手を探るべく、残り時間をすべて使い切りました。
今期の連敗となった過去2局では、最終盤に藤井王座からミスが出ていたが、
今回は様相が異なります。
本局の藤井王座は30分以上の持ち時間を残しており、時間の使い方もここまで上手く対応しています。

高見七段の解説通り
局面は、まさに高見七段の解説通りの手順で進行します。
もはや有効な受けの手立てがなかった伊藤叡王は、藤井王座が▲4三金と勝負を決める一打を放ったところで、静かに頭を下げ、投了となりました。
藤井王座の快勝で、本局に幕が下ろされた。

