第74期王将戦第2局は、1月25日から26日にかけて京都市伏見区の「伏見稲荷大社」で行われています。

1勝0敗で迎えた第2局。先手番の藤井王将が2連勝を決められるか、注目です。

伏見稲荷大社は、全国に3万以上ある稲荷神社の総本宮です。711年に創建され、主祭神は農業や商業の神である宇迦之御魂大神(うかのみたまのおおかみ)です。

特に有名なのは、鮮やかな朱色の千本鳥居です。この鳥居が連なる参道は幻想的な雰囲気を持ち、参拝客や観光客に人気があります。参道を進むと稲荷山の頂上まで続いており、山全体が神域とされています。

第74期王将戦第2局1日目

戦型は横歩取り

両者の対戦成績は藤井王将の19勝、永瀬九段の7勝です。

第1局で先手番ながら敗れた永瀬九段は、第2局の2手目に△3四歩を選択しました。この手は横歩取りへの誘導を意図したものです。

横歩取りは、藤井王将がプロ入り当初は苦手としていた戦型でしたが、

現在では勝率7割を超える得意戦型の一つとなっています。

ただし、この戦法は飛車や角が手持ちになる激しい展開が多く、一手一手が非常に重く、神経を使う難解な戦法です。

18手目、永瀬九段は△9四歩と指しました。

この手は最近の研究手で、これまでの前例はわずか2局しかありません。

永瀬九段が用意した一手だったと見られます。

この手を境に、藤井王将は小刻みに時間を消費する展開となりました。

横歩取り△9四歩

永瀬九段の△8八角成に藤井王将の長考

28手目、永瀬九段が△8八角成と指した局面で、藤井王将の手が止まりました。

通常なら▲同銀と応じたくなる場面ですが、ここでAIは▲同銀ではなく▲同金を推奨しています。

藤井王将は39分の長考の末、AIの指摘通り▲同金を選択しました。

この手は、先手が飛車を2五に動かした場合、6六桂の王手から3四角打で飛車と金の両取りを狙う手を未然に防ぐ狙いがあり、

非常に緻密な読みを反映した一手と言えるでしょう。

同銀、同金の2択で考える藤井王将

午前のおやつ

藤井聡太王将のおやつ永瀬拓矢九段のおやつ
豆大福と宇治抹茶フレッシュオレンジジュース
豆大福のもちもちとした食感に程よい塩気のえんどう豆がアクセントとなり、控えめな甘さの餡が絶妙に調和しています。
宇治抹茶は濃厚な香りとほのかな渋みが特徴で、和菓子との相性は抜群。
心落ち着くひとときとなったようです。
「かおる」も食べたい
永瀬九段、お好みの抹茶を注文していません。
午前中はオレンジジュースだけでした。

永瀬拓矢九段の研究手順通りに進む?

36手目の時点で、両者の消費時間には大きな差が出ています。

藤井王将は2時間23分を費やしたのに対し、永瀬九段の消費時間はわずか15分

永瀬九段は研究が生きている局面では時間を使わずに指す棋士であり、この展開も彼の予想通り進んでいたと考えられます。

しかし、37手目の藤井王将の▲9四歩という手で状況が変わります。

この手は永瀬九段にとって予想外だったのか、ここで彼の手が止まりました。

この局面から、緊迫感のある展開が少し落ち着き、ファンもゆっくりと観戦を楽しめるようになりそうです。

藤井王将の▲9四歩で永瀬九段の手が止まる

ランチ

藤井聡太王将のランチ永瀬拓矢九段のランチ
助六寿司、煎茶うなぎ一匹重献上宇治抹茶
フレッシュオレンジジュース、フレッシュグレープフルーツジュース
煎茶の清々しい香りとともに、和の味覚を満喫したようです。
「かおる」も食べたい
贅沢な「うなぎ一匹重」で気力充実でしょう。
濃厚な「献上宇治抹茶」はほろ苦さがアクセントとなり、食事の締めに最適。
対局への気合がさらに高まる、栄養満点の一品です。
「かおる」も食べたい

午後のおやつ

藤井聡太王将のおやつ永瀬拓矢九段のおやつ
抹茶ブラウニー、紅茶フルーツ盛り合わせ、
献上宇治抹茶、フレッシュグレープフルーツジュース
濃厚な抹茶の風味が香るブラウニーは、程よい甘さとほろ苦さが絶妙なバランスで、上品な味わい。
添えられた紅茶の爽やかな香りが後味をすっきりと整え、リラックスしたひとときを演出。
静かな集中を保ちながら、甘さ控えめのおやつで午後のエネルギーをチャージしたようです。
「かおる」も食べたい
フルーツ盛り合わせは、みずみずしい旬の果物が彩り豊かで、
自然な甘さが疲れを癒します。
「かおる」も食べたい

午後は永瀬九段が時間を使う展開に

上図の▲9四歩までは、藤井王将が一方的に時間を使う展開が続いていました。

しかし、午後に入ると永瀬九段が時間を消費する展開へと変わり、両者の時間差は徐々に縮まってきました。

38手目、△3三桂で飛車に当てる一手に対し、藤井王将は最善手▲2四飛車と浮いて応じます。

この局面で永瀬九段は約30分を費やし、△2三歩と飛車を追いましたが、

藤井王将は▲3四飛車と横に逃げたところで、永瀬九段の手がピタリと止まりました。

次に先手からは9三歩成、同桂、9四歩と攻めることが出来ます。

永瀬九段の手が止まる

永瀬九段 152分の大長考

17時12分、永瀬九段の手がようやく動きました。

1手に2時間32分の大長考、これが永瀬九段の最長考記録となりました。

何を指しても自信が持てなかったのでしょうか。

実際に指したのは△1四歩。

この手はプロ棋士にも解説が難しいものでした。対する藤井王将も同意見だったようです。

18時27分、藤井王将は次の手を封じ、封じ手に75分を費やしました。

43手目を藤井王将を封じる

封じ手の予想は▲9六香です。

現時点での残り時間は、藤井王将が3時間47分、永瀬九段が4時間8分とほぼ互角です。

形勢は藤井王将が有利とされています。