第83期名人戦第3局が5月9日・10日に大阪府泉佐野市「ホテル日航関西空港」で行われました。
後手の藤井聡太名人(22)が永瀬拓矢九段(32)を19時30分、102手で下し、
シリーズ成績を3勝0敗とし、3連覇まであと1勝に迫りました。
次戦、第4局は5月17日(土)から18日(日)にかけて、
大分県宇佐市「宇佐神宮」で開催されます。

永瀬九段 千日手を回避
封じ手は予想通り△4四銀引き。
しばらくして永瀬九段は▲4六角と引きました。
藤井名人が再び△5五銀と応じたため、千日手が濃厚かと思われましたが、ここで永瀬九段は意外な一手、千日手打開の▲7九角を選択しました。
第2局と同様、お互いに千日手を避けたいという意図が見られ、先手の永瀬九段がその局面を打開する形となりました。
しかし、この▲7九角に対し、AIの形勢判断は藤井名人に55%と傾き、藤井名人が2日目を有利に進める展開となりました。

2日目おやつ
藤井聡太名人のおやつ | 永瀬拓矢九段のおやつ |
「いろは蔵」(むか新羽倉崎店) 「豆乳シェイク 泉佐野産レモン」(いずみさん) | 「いちごスムージー」(IchigoLab_Izumisano) フルーツドリンク(ピーチ味) |
「いろは蔵」は、しっとりとした生地と優しい甘さが特徴の銘菓。 対局中のリラックスタイムに、ほっと一息つける味わいです。 「かおる」も食べたい | 同市日根野でイチゴ農園を営む加茂嵩人さんの力作です。 |
2日目ランチ
藤井聡太名人のランチ | 永瀬拓矢九段のランチ |
「犬鳴豚の角煮重 泉佐野魚介のちゃんぽん」(日本料理 和モードちよ松) ウーロン茶 | 「わたりがに料理 勝ち蟹御膳(かにごぜん)」(割烹松屋) スイーツ「泉佐野市 花鳥木」(花音カフェ) ウーロン茶 |
犬鳴豚の角煮重は、とろけるような豚肉の旨みが凝縮され、ご飯との相性抜群。 甘辛いタレが食欲をそそります。 「かおる」も食べたい | 一口食べれば、蟹の繊細な甘みと豊かな風味が口いっぱいに広がり、まさに至福の味わい。 それぞれの料理が丁寧に仕上げられ、素材本来の美味しさを引き立てています。 対局に「勝つ」という縁起の良い名前も、永瀬九段の意気込みを感じさせます。 「かおる」も食べたい |
午後の初手は△9五歩と端攻め
13時、対局が再開されると、藤井名人は間髪入れずに△9五歩と端を突きました。
端攻めを得意とする藤井名人によるこの一手は、対戦相手にとって大きなプレッシャーとなるでしょう。
攻撃の糸口を掴んだ藤井名人に対し、守勢に回った対局者は精神的にも追い込まれ、自信を揺るがしかねません。

藤井名人の歩の垂らし
永瀬九段は飛車を活用し、▲4六歩と突き出して攻勢に出ました。
しかし、この局面は後手にも応手が多く、AIの形勢判断はすでに藤井名人に傾いていました。
ここで藤井名人は32分を使い、意表を突く△3八歩と垂らしました。
これは、と金を作る狙いがある一手ですが、誰もが予想しなかったタイミングでの歩の垂らしに、控室からは驚きの声が上がりました。

棋士から感嘆の声が漏れる
81手目、永瀬九段は▲4五歩と前進。
次に▲3四歩と突けば、金銀いずれで受けても▲3五歩で金駒が取れる局面です。
誰もがその進行を意識する中、藤井名人は恐れることなく△6四歩と応じました。
この手はAIが最善手として示していた一手。
もし△6五歩と進めると、永瀬玉が7八にいる形が災いし、一気に危険な状況に陥ることが判明しました。
この一連の読みと判断に、控室の棋士たちからは感嘆の声が漏れています。
まさに藤井名人ならではの、常識を超えた一手と言えるでしょう。
どうやら、この△6四歩の時点で、本局の勝負は決したようです。

2日目夕食休憩
藤井聡太名人の夕食休憩 | 永瀬拓矢九段の夕食休憩 |
「おにぎりセット(ウメ、かつおぶし、鮭)」 「ウーロン茶」 | 「泉州産の野菜とミルキークイーン犬鳴ポーク炙りの鶏キーマカレー」 「マンゴージュース」、「ピーチジュース」、「ホットカフェオレ」 |
シンプルながらもバランスの取れたおにぎりセット 「かおる」も食べたい | 地元泉州産の野菜の滋味深さと、ミルキークイーンの優しい甘みが際立つ鶏キーマカレー。 香ばしく炙られた犬鳴ポークが食欲をそそり、風味豊かな一品です。 「かおる」も食べたい |
気が付けば藤井名人の勝勢
本局の立会人を務めた福崎文吾九段からは「なんだか知らないうちに、という感じですね」という言葉が漏れました。
盤面を見ると、9筋は完全に抑え込まれ、3筋のと金は4筋に迫り、さらに6筋からは銀が一直線に打ち込まれるという、まさに絶体絶命の局面。
脱出を図る術は残されていません。
久々の相矢倉戦ということもあり、息の長い激しい攻防が予想されましたが、終わってみれば大差での決着となりました。

下図は投了図です。打ち込まれた銀を見た永瀬九段は1分後、指すことなく投了を告げました。
