2026年1月18日(日)、冬の寒さを吹き飛ばすような熱い戦いが朝日杯将棋オープン戦で繰り広げられました。
午前の部で行われたのは、藤井聡太竜王名人と、振り飛車の名手・菅井竜也八段の一戦です。
1. 菅井八段の堅陣に苦しんだ中盤戦
対局は先手の菅井八段が「中飛車」を採用し、藤井竜王名人が「居飛車」で対抗する展開に。
序盤は藤井竜王名人が主導権を握ったかに見えましたが、
経験豊富な菅井八段が「竜を切る」という華やかな勝負手で流れを引き戻しました。
2. 絶望の「勝率1%」からの生還
対局は菅井八段の隙のない指し回しに圧倒され、
一時はAIの評価値で藤井竜王名人の勝率が「1%」まで追い詰められるという、
ファンにとっては心臓の止まるような展開でした。
しかし、ここからが「共に高みを目指す旅」を続ける藤井竜王名人の真骨頂です。
絶望的な状況でも諦めず、「面白い将棋にしたい」という探究心が、
奇跡的な大逆転勝利を呼び込みました。
まさに、「かおる」が9年前にファンになるきっかけとなった羽生三冠との対局を彷彿とさせるような、歴史に残る「神回避」でした。
3.流石の粘り
今回の藤井竜王名人の粘りは、まさに驚異的の一言に尽きました。
絶体絶命の窮地での冷静さ
駒がバラバラになりそうな局面でも、決して集中力を切らさない冷静な対応。
勝ちを引き寄せる「鋭い踏み込み」と「神業」
しかし、秒読みという極限状態の中で、藤井竜王名人が真の「終盤力」を発揮します。
2四金打:相手の攻めをピタリと止める冷徹な一手。
5一飛:本来は攻撃の要である飛車を受けの守備に投入する、驚きの柔軟さ。
こうした「見えづらい受けの手」が、秒読みの中で菅井八段を翻弄し、逆転へと繋がったのです。
4年前、渡辺明名人に見せた「あの時」の輝き
今回の終盤で見せた驚異的な粘り強さは、「かおる」にある対局を強く思い出させました。
それは、4年前の朝日杯将棋オープン戦準決勝でのこと。
当時の渡辺明名人に138手で大逆転勝利を収め、決勝進出を果たしたあの一局です。
あの時も終盤の攻め合いで渡辺名人にリードを奪われ、最終盤では敗色濃厚というところまで追い込まれていました。
しかし、諦めずに勝負手を繰り出し続けたことが奏功。
1手の隙も見逃さず、追い詰められていた自玉の安全を確保すると、一気に形勢が逆転して大きな勝利を手にしました。
今回の菅井八段戦も、まさに「再びの大逆転勝利」。
藤井竜王名人の心技体が最高潮にあることを改めて実感させられました。
4.次なる戦いへ:午後は斎藤慎太郎八段戦!
140手の激戦を制した藤井竜王名人は、午後の準々決勝で斎藤慎太郎八段と対戦します。
王将戦での惜敗から、この朝日杯での「1%からの逆転」という劇的な幕開け。
全八冠復帰への旅路は、まだまだ私たちを熱くさせてくれそうです。
