藤井叡王 防衛に向けて好発進

第9期叡王戦第1局が4月7日に愛知県か茂免で行われました。

先手の藤井聡太叡王(21)が伊藤匠七段(21)に17時58分、107手で勝利し、1勝0敗としました。

次戦は4月20日(土)に石川県アパリゾート佳水郷で開催されます。

叡王戦対戦表 第1局まで

前日のインタビュー

藤井聡太叡王

◇伊藤七段との対局を迎えて

藤井先生『なんとか結果を出すことが出来たのは、すごく嬉しく思っています。また、一方で課題を感じたというところも多くあったので、またそれをしっかり受け止めて改善していければと思っています。』

かおる

『常に課題を見つけて、勉強し続ける』という、この姿勢、見習わないといけないね。

◇伊藤先生の印象について

藤井先生『伊藤七段とは、昨年の竜王戦・今年の棋王戦に続いての対戦となりますが、これまでも研究の深さを感じますし、中盤以降もバランス感覚に優れていると思います。』

◇5番勝負に向けて

藤井先生『棋王戦からは連続する形となるので、棋王戦の対局をベースに考えてきました。この叡王戦に向けてブラッシュアップしていく必要があると思っています。』

かおる

これだけ強いのに、まだまだ上げていかないといけないんだなあ。棋士は大変です。

◇棋王戦から3週間、どのような調整をしてきたか?

藤井先生『練習将棋の機会を何回か設けたため、実践感覚については不安はありません。』

◇永瀬先生とですか?

藤井先生『永瀬九段にも教えて頂きました。』

かおる

以前は、練習相手は「永瀬先生」ただ一人と認識していたけど、現在は別のパートナーもいるようです!

◇料亭では2回、すっぽん料理「ぽんきし」を食されていますが、お好きですか?

藤井先生『美味しかったと認識しています。まだメニューは見ていませんが今回注文するかもしれません。』

かおる

3連続、「ぽんきし」頼んだよ。

藤井先生のお気に入りだね!

◇最近の課題は?

藤井先生『後手番での対応です。さまざまな形に対する認識を増やしていきたいです。』

かおる

以前、渡辺先生が後手番は5割、勝てればOKと言ってたけど。

伊藤匠七段

◇藤井先生との対局を迎えて

伊藤先生『再び藤井さんと対戦する機会を作れたことは良かったと思います。今まで不甲斐ないシリーズが続いているので、もっと熱戦をお見せしないといけないなと思っています。』

かおる

同い年だから『藤井さん』なんだね

かおる

藤井先生は5連勝位すると、1敗することが多いのに。

伊藤先生相手には絶対に負けたくないのか、藤井先生の熱い思いを感じるよ。

◇藤井先生の印象と今シリーズに向けて

伊藤先生『中盤の難しい局面での指し手の精度でかなり上回れてしまったので、今回のシリーズでは、こちらも精度を上げていかないと、戦えないと感じています。』

◇過去2回のタイトル戦と今回の気持ちの違いは?

伊藤先生『毎回、相手が藤井先生で、藤井叡王か1勝を上げるのは大変なことだと実感したところです。』

かおる

ここ10戦でも、藤井先生以外には全勝している伊藤先生、藤井先生には全敗です。

かおる

藤井先生が全タイトルを所持してしまったから、今から挑戦する棋士は、必ず藤井先生が相手となります。

これは大変だ!

◇タイトル戦の1勝について

伊藤先生『前の2つの番勝負の時は、タイトル奪取という気持ちが強かったが、今回は純粋に、良い将棋をファンに見せたい、という思いが強いです。』

◇今回は内容重視ですか?

伊藤先生『今までは、接戦に持ち込めていないので、自分が精度を上げて、熱戦にしないといけないと感じています。』

◇修正したところは?

伊藤先生『藤井叡王が作戦の幅を広げているのを感じたので、自分も幅広く考えていきたいと思います。』

かおる

伊藤先生も「角換わり」を拒否するのかな。

序盤

叡王戦はチェスクロック方式(※)のため、サクサク進行していきます。

かおり

『チェスクロック方式』は秒単位も含めて消費時間を計算するため、同じ4時間の棋戦でも、終局時刻がかなり早くなります。

早速、動きがありました。藤井先生が「角換わり」を打診しましたが、伊藤先生が時間をかけて考えています。空を見上げながら約50秒間考えたあと、「角換わり」を受ける意思を示しました。

かおる

第3局は「角換わり」を拒否するのかな。

ここまで一手に10秒程度しか消費しなかったのに、

この時だけは50秒使ったので、作戦を改めて練り直したように見えました。

午前のおやつ

藤井聡太叡王の午前のおやつ伊藤匠七段の午前のおやつ
プレミアム濃い抹茶のケーキ(鹿児島県産一番抹茶使用)
抹茶スポンジに抹茶味のクリームとガナッシュ、大納言かのこをサンドしたケーキです。
バームクーヘン
北海道バター使用
見たことがない、濃厚抹茶ケーキです。値段もお手頃です。
「かおる」も食べたい
「かおる」も食べたい

勝負メシ

藤井聡太叡王のランチ伊藤匠七段のランチ
名物ぽんきし膳-きしめんすっぽんスープ仕立て-
きしめんは名古屋の名物です。
『ぽんきし』には湯葉と壬生菜(みぶな)、九条ねぎが乗っています。
ほかに「近大マグロ」と「もち豚の柔らか角煮」つき
名物ぽんきし膳-きしめんすっぽんスープ仕立て-
きしめんは名古屋の名物です。
『ぽんきし』には湯葉と壬生菜(みぶな)、九条ねぎが乗っています。
ほかに「近大マグロ」と「もち豚の柔らか角煮」つき
これは豪華!名古屋に行ったら食べに行きたい。
「かおる」も食べたい
伊藤先生は、すっぽん初めてかな。
「かおる」も食べたい

午後のおやつ

藤井聡太叡王のおやつ伊藤匠七段のおやつ
ペコちゃんのほっぺ(ミルキークリーム)
ハチミツ入りのふわふわスポンジに練乳を使ったミルキークリームたっぷり。
プレミアム濃い抹茶のケーキ(鹿児島県産一番抹茶使用)
抹茶スポンジに抹茶味のクリームとガナッシュ、大納言かのこをサンドしたケーキです。
藤井先生の午後のおやつは、ダブルドリンクが定番だけど、叡王戦は不二家が主催のため、おやつを注文する必要がありそう。
「かおる」も食べたい
藤井先生が午前のおやつで注文しているね。
藤井先生が食べているところを見ていたなら、頼みたくなると思う。
「かおる」も食べたい

中盤は伊藤先生、有利に進めるも、たった一手 後悔することに

藤井先生の2023年度の先手番成績は、24勝1敗1持将棋で勝率は勝率9割6分です。唯一の敗北は永瀬先生に、持将棋(引き分け)の相手は伊藤先生でした。

ほとんど負けがないため、藤井先生の先手番では、対戦相手にとっては絶望的な状況と言えます。

そんな中で始まった第1局では、伊藤先生が上手に進めています。インタビューで話された通り、じっくりと時間をかけて、興味深い将棋になっています。

下図の局面では形勢が藤井先生の45%です。

究極の2択 8七歩成or5五歩
  • 1 8七歩成 藤井先生の形勢45%
  • 2 5五歩  藤井先生の形勢63%

難しい2択だったようです。終局後のインタビューで、伊藤先生はこの局面での選択ミスを悔やんでいました。

ここまで完璧に進めて、勝利が見え始めた一局でしたが、たった一手のミスが致命的となり、藤井先生の終盤力で一瞬にして終局へと至りました。

藤井先生 お得意の飛車切り

下図の局面、藤井先生は少考で飛車を走ります。

藤井先生、決めにいく

伊藤先生が桂馬で取り返した上図から、藤井先生はノータイムで飛車を切りました

藤井先生、お得意の飛車切り6五飛車

かおる

藤井先生、ノータイムで飛車を切ってきたよ。まだ8分あるのに。

渡辺先生なら5分は考えそう。

仕方なく、伊藤先生は飛車を取りますが、王様の前に銀を打たれて投了となりました。

タイトル戦15連勝

2023年度の最長連勝記録は、棋聖戦と王位戦でタイトル挑戦を果たした佐々木大地七段の15連勝です。

通常の対局でさえ15連勝が稀なのに、藤井先生はタイトル戦において15連勝を続けています。

一方、伊藤先生は叡王戦への挑戦を決めるために8連勝を達成しました。

このように勝利を重ねてきた棋士たちを相手にしても15連勝を達成するとは、藤井先生の強さは異次元としか言いようがありません。

これまでのタイトル戦の連勝記録です。すごい記録が並んでいます。

1位大山康晴十五世名人17連勝
2位藤井聡太竜王名人15連勝
3位羽生善治九段13連勝
3位藤井聡太竜王名人13連勝
5位羽生善治九段12連勝
6位中原誠十六世名人10連勝
6位羽生善治九段10連勝
6位渡辺明九段10連勝

かおる

渡辺先生、藤井先生に負けてばっかりだけど

実は10連勝もしてます!