第66期伊藤園お~いお茶杯王位戦第2局が7月15日・16日に神戸市北区「中の坊瑞苑」で行われました。
先手の藤井聡太王位(22)が永瀬拓矢九段(32)を19時0分、131手で下し、
シリーズ成績を2勝0敗としました。
次戦、第3局は7月29日(火)から30日(水)にかけて、
北海道千歳市「ポルトムインターナショナル北海道」で開催されます。

永瀬九段 打ち歩詰めの図面を作り投了
永瀬九段は残り時間48分から40分を熟考に充て、△2五角と打って詰めろを仕掛けました。
もちろん、藤井王位はその手を完全に読み切っており、わずか1分で応手。
あたかも両者に未来の局面が見えているかのように、互いの読み筋は完全に一致していました。
最後は打ち歩詰めという局面すらも利用し、永瀬九段が投了。
まさに、二人の棋士が紡ぎ出した、精緻で美しい終局図でした。


かおる
『打ち歩詰め』とは
持ち駒の歩を盤上に打って、相手の王将を詰ませること
これは反則だよ。
2日目午前のおやつ
藤井聡太王位のおやつ | 永瀬拓矢九段のおやつ |
マンゴーショート、パインジュース | マンゴーショート パインジュース、マンゴージュース |
しっとりとしたスポンジケーキの間には、とろけるような甘さの完熟マンゴーが 惜しみなく挟み込まれ、軽やかな生クリームとの相性も抜群だったことでしょう。 マンゴー特有の濃厚な香りと甘みが口いっぱいに広がり、 対局中の脳をリフレッシュするのに最適な、至福のひとときを提供したのではないでしょうか。 見た目も鮮やかで、視覚からも楽しめる一品です。 「かおる」も食べたい | 濃厚な甘さと爽やかな酸味が絶妙に調和したマンゴーショートで南国気分を満喫。 みずみずしいパインジュースと、 とろけるような甘さのマンゴージュースが後味をさらに引き立て、 フルーツづくしの贅沢なおやつタイムとなりました。 「かおる」も食べたい |
2日目ランチ
藤井聡太王位のランチ | 永瀬拓矢九段のランチ |
淡路産鱧(はも)と夏野菜の天婦羅とうどん膳 | 神戸牛肉うどん膳の大盛りとアイスミルクティー |
素材の良さを最大限に活かした、 夏らしい爽やかな膳となっており、 藤井王位も満足されたことでしょう。 「かおる」も食べたい | 柔らかながらもしっかりとした旨味を持つ神戸牛肉が惜しみなく使われており、 その脂の甘みが熱々のうどん出汁に溶け出して、奥深いコクを生み出しています。 大盛りということもあり、ボリュームも満点。 食べ応えは言うまでもなく、肉の旨味が口いっぱいに広がる満足感は 格別だったことでしょう。 「かおる」も食べたい |
永瀬九段の研究
永瀬九段は70手目**△8二歩**に到達するまでに、わずか31分しか使いませんでした。
8時間制の対局では異例のスピードです。
かなり早い段階で前例を外れているにもかかわらず、
ここまで研究を進めてきた永瀬九段の準備にはただただ感服するばかりです。
しかし、藤井王位も一歩も引いていません。
この70手目の時点で既に3時間33分を費やしており、
自身の力で局面を考えているのは明らかです。
それにもかかわらず、形勢は完全に互角を保っており、
藤井王位がここまで全くミスをしていないことを示しています。
この一局は、両者のレベルがいかに高度であるかを如実に物語っているでしょう。

永瀬九段も驚く角捨て
上図の局面で、藤井王位の角は取られてしまいました。
しかし、藤井王位はなんと▲9四角成と、その角を自ら捨てる選択をします。
素人目には「角を取られたら不利になる」と考えてしまいがちですが、
AIの形勢判断は藤井王位が52%と表示しています。
藤井王位の、常識を覆すような形勢判断には、いつも驚かされます。

103手目までほぼ互角
角を捨てたあたりから研究の範囲を外れた永瀬九段は、残りの時間を惜しみなく使いました。
藤井王位の103手目**▲2四歩**まで、局面はほぼ互角に推移。
しかし、残り時間は両者ともに1時間を切っています。
ここで永瀬九段が指した**△7五桂が悪手となり、一気に終盤戦へ突入。
まだ40分を残す藤井王位にとって、まさに絶好のチャンスが訪れました。
藤井王位は時間をあまり使わずに正確な指し手を続け、永瀬九段の攻めは次第に勢いを失います。
119手目▲5九玉**と玉を逃がした局面を見て、永瀬九段は深くうなだれ、敗北を悟ったようでした。
序盤で3時間以上もリードされていた藤井王位が、最終的に16分を残しての勝利。
終盤力の差を見せつける将棋となりました。
