第73期王座戦第1局が9月4日、シンガポール「アマラ・サンクチュアリ・セントーサ」にて行われ、
後手の藤井王座(23)が伊藤叡王(22)に現地時刻19時13分、 66手で勝利し、1勝0敗としました。
次戦は9月18日(水)に兵庫県神戸市「ホテルオークラ神戸」で開催されます。

藤井聡太王座、シンガポールで初の防衛戦
藤井聡太王座が、シンガポールで王座戦の第一局に臨みました。
海外での対局はこれが2回目です。
シンガポールが対局地に選ばれたのは、今年建国60周年を迎えるシンガポールとの文化交流の一環として、記念すべき場所だからです。
藤井王座は、挑戦者の伊藤匠叡王と一緒に、シンガポールを代表する観光名所である「マーライオン」を訪れ、笑顔で記念撮影をしました。
報道陣のリクエストに応じ、口を開けるポーズなどを見せる場面もありました。
シンガポールの有名な観光名所
マーライオン・パーク
上半身がライオン、下半身が魚のシンガポールの象徴「マーライオン」がいる公園です。
シンガポールのランドマークとして有名で、多くの観光客が訪れます。
マリーナ・ベイ・サンズ
3つの高層タワーの屋上に船のような形をしたプールや展望台がある、シンガポールを代表するホテルです。
屋上からの夜景は特に人気があります。
ガーデンズ・バイ・ザ・ベイ
マリーナ・ベイ・サンズのすぐ隣にある、未来的な巨大ツリー「スーパーツリー・グローブ」で有名な植物園です。
夜にはライトアップされ、幻想的な光景が楽しめます。
セントーサ島
シンガポール本島からケーブルカーやモノレールでアクセスできるリゾート島です。
ユニバーサル・スタジオ・シンガポールや水族館など、一日中楽しめる施設が満載です。
ランチ
藤井聡太王座のランチ | 伊藤匠叡王のランチ |
シーフードラクサ パイナップルジュース | シンガポールチキンライス <海南ポークチキン、パンダンジンジャー香るご飯、ピクルスとコラーゲンアワビの鶏スープ添え> |
シンガポールやマレーシアの代表的な料理であるシーフードラクサは、 ココナッツミルクベースのスープに魚介の旨味が溶け出し、食欲をそそります。 具材にはエビやホタテ、アサリなど、さまざまなシーフードが使われていたようです。 「かおる」も食べたい | シンガポールの国民食として知られるこの料理は、 鶏肉ではなく豚肉を使用した「海南ポークチキン」という一風変わった一品。 パンダンリーフと生姜の香りが食欲をそそるご飯に、 ピクルスの酸味とアワビのコラーゲンが溶け込んだ鶏スープが添えられており、 対局の疲れを癒やす、スタミナ満点の内容だったようです。 「かおる」も食べたい |
午前中に形勢が動く
下図は、先手の▲8七歩に対し、後手が同歩成とした局面。
先手の玉は、この「と金」の存在によって危険にさらされています。

▲7七同銀は、後手から△8七飛成とされ、後手だけ竜を作れるため、先手は面白くありません。

▲7七同桂も、△5六飛と銀を取られ、以下▲同歩に△3五角が王手飛車となります。

また、▲8六歩と打っても、△8八とと銀を取られてしまいます。この手に対し、▲同玉と応じると、△4四角が王手飛車となり、即終了です。

後手の手はすべて厳しく、先手の伊藤叡王に何らかの誤算があったようです。
午後のおやつ
藤井聡太王座のおやつ | 伊藤匠叡王のおやつ |
マンゴーサゴ(ポメロ、マンゴーポッピング添え) アイスレモンティー | ニューヨークチーズケーキフルーツ添え スイカジュース |
マンゴーサゴは、ココナッツミルクベースのトロピカルな香港スイーツです。 今回のものは、マンゴーとポメロ(ザボンの一種)の果肉がたっぷりで、 弾ける食感が楽しいマンゴーポッピングが添えられていたようです。 マンゴーの濃厚な甘さとポメロの爽やかな酸味が絶妙なバランスで、 すっきりとしたアイスレモンティーとの相性も抜群。 対局で疲れた頭をリフレッシュするのに最適な組み合わせだったことでしょう。 「かおる」も食べたい | 濃厚でずっしりとしたニューヨークチーズケーキは、 口の中でとろけるような滑らかさが特徴です。 添えられた色とりどりのフルーツが、 重厚なチーズケーキに爽やかなアクセントを加えていたことでしょう。 対局の緊張をほぐすのにぴったりの甘さです。 これに、みずみずしいスイカを絞った特製のスイカジュースが、 口の中をさっぱりとリフレッシュさせ、 対局に臨む活力を与えてくれたことでしょう。 「かおる」も食べたい |
夕食
藤井聡太王座のランチ | 伊藤匠叡王のランチ |
シンガポールチキンライス オレンジジュース | チリクラブ・フライマントゥ 冷たい緑茶 |
特製のソースをかけて楽しむ料理で、 藤井王座は試合中のエネルギー補給として選んだのでしょうか。 「かおる」も食べたい | 対局中に強い集中力を維持するため、 刺激的な一品を選んだのかもしれません。 「かおる」も食べたい |
伊藤叡王の連勝を止める
終始リードを保っていた藤井王座でしたが、最終盤でまさかの読み抜けがあったようです。
楽勝ムードから一転、ヒヤリとする際どい局面となり、見ているファンは誰もが不安になったことでしょう。
しかし、そこはやはり藤井王座。
いつもの驚異的な終盤力で相手の逆転を許さず、勝利をもぎ取りました。
66手目、藤井王座の△5一金に対し、伊藤叡王は詰みがないと判断し、無念の投了となりました。
伊藤叡王はこれで連勝が「12」でストップ。
絶好調の中、痛恨の一手バッタリとなってしまい、不本意な結果だったことでしょう。
しかし、この一局を糧に、第2局以降のさらなる熱戦に期待したいところです。