藤井棋王 第3局を勝利
第49期棋王戦コナミグループ杯の第3局が3月3日に新潟グランドホテルで行われました。
先手の藤井聡太棋王(21)が伊藤匠七段(21)に18時53分、105手で勝利し、2勝0敗1持将棋(持将棋とは引き分けのこと)としました。
次戦は3月17日(日)に栃木県日光きぬ川スパホテル三日月で開催されます。
さらに、同じ日にはNHK杯決勝も行われます。藤井先生が決勝に進出している場合、ファンにとっては非常に忙しい一日となるでしょう。
すでに佐々木勇気八段が決勝に進出しており、2年連続で同じ対決が実現する可能性があります。
乗り鉄・藤井聡太
棋界で知られる鉄道ファン・藤井先生にとって、全国各地への遠征が伴うこのタイトル戦は非常に楽しいものに違いありません。
最近、記者から鉄道に関する質問が増えていますが、その度に、藤井先生はカメラに向けて素晴らしい笑顔を見せてくれます。
今回は、名古屋から新潟まで特急「しらゆき」を利用したそうです。
この特急「しらゆき」の情報を知らない「かおる」は、鉄道検索を試みましたが、なかなか情報を見つけることが出来ませんでした。
その理由は、名古屋から新潟への検索では通常、新幹線が利用されることが多いため、特急「しらゆき」に関する情報が検索結果に表示されないからです。
しかし、多くの努力の末、最終的には、その情報を見つけることができました。
最初に、名古屋から長野までは特急「しなの」を利用、その後、各駅停車を2本乗り継ぎ、ようやく特急「しらゆき」に乗るそうです。興味があればぜひ調べてみてください。
新幹線を使うよりも倍以上の時間、約9時間をかけて現地に到着したと思われます。
一体、藤井先生は、何時に自宅を出発されたのでしょうか。
序盤
8時44分に伊藤先生が入室し、その後8時49分に藤井先生が入室されました。ここまで予定通りに進行しています。
藤井先生はスーツより着物の方が似合いますね。
伊藤先生も格好良かったです。また、この対局では藤井猛九段が立会人を務めていましたが、藤井てんてー(藤井猛先生の愛称)も着物がお似合いでした。
いつものように駒を並べていきますが、大橋流の藤井先生に対し、伊藤先生は伊藤流で並べていきます。
9時対局開始、いつも通り、藤井先生は角換わりを目指していきました。
かおる
藤井先生、眠そう
かおるも20代前半の時は何時間でも寝れたよ。
今は・・・
藤井聡太棋王の午前のおやつ
藤井聡太棋王の午前のおやつ | 伊藤匠七段の午前のおやつ |
苺とピスタチオのガトー (新潟グランドホテルにて販売されているようです) | 苺のレアチーズケーキ |
写真を拝見すると、たくさんの苺を用いた贅沢なケーキです。 ピスタチオがいいアクセントかな。 「かおる」も食べたい | こちらも苺が山盛り 「かおる」も食べたい |
藤井棋王による時間攻め
先日、朝日杯将棋オープン戦の決勝で藤井聡太名人竜王と永瀬拓矢九段の対局が行われましたが、藤井ファンにとっては残念な結果となりました。
藤井先生は、これまで決勝や挑戦者決定戦に進出するとほとんど勝利している印象がありましたが、最近では敗戦も増えてきました。
相手は強い先生ばかりですから仕方がないですね。
この日は、久々に見る矢倉戦法で始まり、信じられないような展開になりました。
先手の永瀬先生が残り時間38分、後手の藤井先生が2分(持ち時間はそれぞれ40分)という状況で、藤井名人が敗れました。
かおる
永瀬先生のノータイム指し!
74手で2分ですよ。
かおる
半分の37手を120秒以内で指してるじゃないですか!
永瀬先生、次はお手柔らかにお願いします(藤井ファンより)
藤井先生は元々長考派で、過去には1分将棋に追い込まれ、ファンをハラハラさせたこともよくありましたが、こういう展開で負けるのは久々な気がします。
しかし、本局は、藤井先生が時間攻めする形となりました。これは意外な展開です。
朝日杯決勝の将棋内容を反省したのでしょうか。
途中、先手の藤井先生が3時間24分、後手の伊藤先生が1時間16分という状況でした。
伊藤先生の強さは周知の事実ですが、このような時間差は見過ごせません。
藤井先生が残り時間で2時間も優位に立っていれば、結果は明白です。
藤井ファンとしては、この時間差に注目していましたが、相当難しい将棋だったようです。
現地解説の千田翔太八段は「あー、跳ねていった」と述べ、ABEMAの解説を務める八代弥七段は
「昔は3筋の歩を捨ててから桂馬を跳ねる手が多かったが、最近はいきなり跳ねることが増えました。私も現局面で桂馬を跳ねる形は見たことがありません。」
と話していました。解説者も驚いた桂馬の跳ね手に、対戦相手の伊藤先生も驚いたようです。
かおる
かおるレベルなら、何も考えず下図のように進むはず
一瞬で勝負がつきそう。
その後、52分と82分の長考があったことからも、その手の対応がいかに難しかったかがわかりますね。
将棋は本当に難しいゲームです。
これだけ準備していても、長考しないと互角を保てないのですから。
時間のハンデがあるにも関わらず、一時は藤井先生の勝率が50%を下回る局面もありました。
伊藤先生は強敵ですので、簡単には勝たせてくれませんね。
伊藤先生は藤井先生と同い年ですが、プロになってからわずか3年です。
この短期間にタイトル戦に2度登場していることは、驚くべき快挙です。
棋士の実力を表した棋士レーティングというサイトによると、現在3位!
渡辺明九段や豊島将之九段よりも上位です。いずれタイトルを獲得するのは間違いないでしょう。現在の対戦成績は藤井先生の9勝と1持将棋ですが。
2022/9/11 | NHK杯2回戦 | 〇 | 後手 藤井聡太 | 先手 伊藤匠 | ● |
2022/11/29 | 棋王戦敗者復活戦1回戦 | 〇 | 先手 藤井聡太 | 後手 伊藤匠 | ● |
2023/10/6 | 竜王戦第1局 | 〇 | 後手 藤井聡太 | 先手 伊藤匠 | ● |
2023/10/17 | 竜王戦第2局 | 〇 | 先手 藤井聡太 | 後手 伊藤匠 | ● |
2023/10/25 | 竜王戦第3局 | 〇 | 後手 藤井聡太 | 先手 伊藤匠 | ● |
2023/11/10 | 竜王戦第4局 | 〇 | 先手 藤井聡太 | 後手 伊藤匠 | ● |
2024/2/4 | NHK杯準々決勝 | 〇 | 先手 藤井聡太 | 後手 伊藤匠 | ● |
2024/2/4 | 棋王戦第1局 | 持 | 先手 藤井聡太 | 後手 伊藤匠 | 持 |
2024/2/24 | 棋王戦第2局 | 〇 | 後手 藤井聡太 | 先手 伊藤匠 | ● |
2024/3/3 | 棋王戦第3局 | 〇 | 先手 藤井聡太 | 後手 伊藤匠 | ● |
伊藤先生はいつか必ずタイトルを手にすると思っています。
でも、伊藤先生がタイトルを取るということは・・・・・・、藤井先生のファンとしては、こんなことを考えてはダメですね。
藤井聡太棋王の勝負メシ
タイトル戦のランチはいつ見ても豪華ですね。棋王戦コナミグループ杯中継plusにお昼の写真が掲載されています。
藤井聡太棋王のランチ | 伊藤匠七段のランチ |
慶楽味わいランチ(メインエビチリ) | 海の幸重 |
程よいピリ辛のエビチリがメインのようです 「かおる」も食べたい | 鮮度抜群の日本海の幸 新鮮な魚介を食べたくなってきたよ 「かおる」も食べたい |
かおる
かおるは、どっちも食べたいぞ
藤井聡太棋王の午後のおやつ
藤井聡太棋王のおやつ | 伊藤匠七段のおやつ |
黒ゴマプリン | 黒ゴマプリン |
藤井聡太棋王、昔はダブルドリンクが定番でしたが 本局は黒ゴマプリンで栄養補給! | 「かおる」も食べたい |
終局図
かおる
こんなところに銀を打つとは!
藤井先生、流石。
このタダの銀を取ると・・・
かおる
銀を取ると、一手詰ということだけは、わかりました。
終局後のコメント
藤井聡太棋王
序盤の桂馬跳ねについて
これはあまり前例がない形ですが、試してみる価値はあると思いました。
中盤の指し方について
伊藤先生から6六に桂馬を打つ厳しい手があるため、攻めるよりも守りに重点を置いた手(61手目 6七歩打ち)を選択しましたが、
伊藤先生が馬を引いた時、思っていたよりも形勢を難しくしてしまったように感じました。
かおる
伊藤先生から、6六に桂馬を打たれるのは凄く嫌。
それを防ぐ、藤井先生らしい一手だと思ったよ
藤井先生は『受け将棋』と若手の先生がよく言ってるよね
1七の角打ちについて
自陣に角を打つこの手は、角がさばけないリスクを大いに抱えており、あまりうまく行っていないと感じました(形勢44%)。
かおる
流石、藤井先生の形勢判断は完璧だ
83手目、藤井先生 お得意の飛車切り
これは危険な手だとは思いましたが、押さえ込まれた場合、明らかに不利になるので、飛車を切る選択はやむを得ないと考えました。
どの段階で形勢が良くなったと思いましたか?
93手目に5五の香を打った時(形勢93%)です。攻め合いでギリギリ行けそうだと思いました。
全体を通しての考察
中盤に一度局面が落ち着いた瞬間がありましたが、その後が特に難しい将棋だったと感じます。
かおる
形勢が55%から44%に変動し、その後60%、93%、最終的に98%でゲームを終えました。
AIの形勢判断と一致していますね。
伊藤匠七段
連続の大長考に関して
予期せぬ展開となり、どのような方針で進めるか、一手一手が非常に難かったです。
44%から60%への形勢(藤井棋王から見て)が不利になった局面について
どの手も厳しそうに感じられ、どの手順であれば戦えるかを必死に考えました。
ABEMA解説担当の阿久津主税八段も、この局面、何を指せばよいか、全然わからないと仰っていました。
相当、難しかったようです。
終盤戦に関して
6四香車の手の厳しさを軽視しており、異なる手順で対応する必要がありました。
かおる
予定では、1九に飛車を打つ予定だったようですが
かおる
6四香車があまりにも厳しかったため、違う手順を選ぶことになったようです。
かおる
これは厳しい!
左に6ニ香成、右には4五桂馬や1一香成
挟み撃ちとなるため、伊藤匠七段は、これでは戦えないと判断したようです。
全体を通じて
自陣に馬を引き寄せましたが、その馬が局面を厳しくしてしまい、苦労する将棋となりました。
かおる
確かに、伊藤先生の馬が取られちゃう!
2度目のタイトル戦13連勝
タイトル戦では、5番勝負の場合は3勝1敗、7番勝負の場合は4勝2敗で決着がつくはずです。
そのため、連勝はせいぜい3回か4回で止まることが予想されます。
しかし、藤井先生はなんと13連勝を達成しました。
これは2度目のことで、21年の叡王戦第4局から22年の叡王戦第3局にかけてのことです。
ちなみに、この連勝記録の保持者は大山康晴15世名人で、記録は17連勝です。
この記録もいつかは塗り替えてしまうのでしょうか。
2023/8/31 | 王座戦第1局 | ● | 先手 藤井聡太 | 後手 永瀬拓矢 | 〇 |
2023/9/12 | 王座戦第2局 | 〇 | 後手 藤井聡太 | 先手 永瀬拓矢 | ● |
2023/9/27 | 王座戦第3局 | 〇 | 先手 藤井聡太 | 後手 永瀬拓矢 | ● |
2023/10/6・7 | 竜王戦第1局 | 〇 | 後手 藤井聡太 | 先手 伊藤匠 | ● |
2023/10/11 | 王座戦第4局 | 〇 | 後手 藤井聡太 | 先手 永瀬拓矢 | ● |
2023/10/17・18 | 竜王戦第2局 | 〇 | 先手 藤井聡太 | 後手 伊藤匠 | ● |
2023/10/25・26 | 竜王戦第3局 | 〇 | 後手 藤井聡太 | 先手 伊藤匠 | ● |
2023/11/10・11 | 竜王戦第4局 | 〇 | 先手 藤井聡太 | 後手 伊藤匠 | ● |
2023/11/10・11 | 王将戦第1局 | 〇 | 後手 藤井聡太 | 先手 菅井竜也 | ● |
2024/1/20・21 | 王将戦第2局 | 〇 | 先手 藤井聡太 | 後手 菅井竜也 | ● |
2024/1/27・28 | 王将戦第3局 | 〇 | 後手 藤井聡太 | 先手 菅井竜也 | ● |
2024/2/4 | 棋王戦第1局 | 持 | 先手 藤井聡太 | 後手 伊藤匠 | 持 |
2024/2/7・8 | 王将戦第4局 | 〇 | 先手 藤井聡太 | 後手 菅井竜也 | ● |
2024/2/24 | 棋王戦第2局 | 〇 | 後手 藤井聡太 | 先手 伊藤匠 | ● |
2024/3/3 | 棋王戦第3局 | 〇 | 先手 藤井聡太 | 後手 伊藤匠 | ● |
伊藤匠七段 B級2組への昇級を決める!
3月5日(火)に開催された第82期順位戦C級1組の第11回戦(朝日新聞社・毎日新聞社主催)では、先手の宮田敦史七段と後手の伊藤匠七段が対局し、
伊藤先生が宮田先生を114手で下し、23時5分に勝利を収めました。
この勝利により、伊藤先生はB級2組への昇級を果たしました。伊藤先生、昇級おめでとうございます。
プロ入りしてから3年でのB級2組への昇級は、藤井先生と同じ速さです。
将来、藤井先生との名人戦での対局が実現する日を楽しみにしています。