第65期王位戦第4局は、8月19日から20日にかけて、佐賀県唐津市の「洋々閣」で行われました。
洋々閣は庭園も立派な和風旅館です。
第3局まで渡辺九段に押され気味だった藤井王位でしたが、
本局では藤井王位らしい強さを取り戻し、後手の藤井聡太王位(22)が渡辺明九段(40)に
18時24分、100手で快勝し、対戦成績を3勝1敗としました。
次戦は8月27日(火)から28日(水)にかけて、兵庫県神戸市の「中の坊瑞苑」で開催されます。

1日目 杉本師匠がいるよ
1日目午前9時前の写真をご覧ください。
珍しい人物が写っています。それは、杉本昌隆師匠です。
なぜ珍しいのかというと、タイトル戦に出場する棋士の師匠は立会人に選ばれない、というルールがあるからです。
ご存知のように、藤井王位は常にタイトル戦に出場していますので、師匠が立会人を務めることはできません。
以前、杉本師匠は深浦康市九段に、この点について嘆いていたこともあるようです。
では、今回はなぜ彼がいるのでしょうか?それは、日本将棋連盟の理事として参加したためだと考えられます。
2日目午前のおやつ
藤井聡太王位の午前のおやつ | 渡辺明九段の午前のおやつ |
水まんじゅう、緑茶 | 唐津六萬石、七山卵のかすていら・ショコラ |
滑らかなこしあんが口の中にいっぱいに広がる夏限定メニューになります。 「かおる」も食べたい | 「唐津六萬石」は黄身あんを包み、表面にグラニュー糖をまぶし、上にカシューナッツをトッピングしている唐津の銘菓です。 「かおる」も食べたい |
感想戦で藤井王位から指導を受ける渡辺九段
1日目の157分に及ぶ大長考の際、渡辺九段は攻めに自信が持てず、最終的には守りに回りましたが、
藤井王位に一方的に攻め込まれ、終局を迎えました。
対局後に行われる感想戦では、藤井王位が驚きの先手の攻め筋を披露しました。
渡辺九段は藤井王位の説明に耳を傾け、感心している様子でした。
それだけ藤井王位の読みが、渡辺九段のそれを大きく上回っていたと言えるでしょう。
2日目勝負メシ
藤井聡太王位のランチ | 渡辺明九段のランチ |
佐賀牛ロコモコ(ハンバーグプレート) | 佐賀牛シャトーブリアン丼・ご飯少なめ |
佐賀牛のハンバーグかあ。凄い贅沢! 1日目は両者、魚でしたが、2日目は両者とも、お肉になりました。 「かおる」も食べたい | 佐賀牛は県内産の黒毛和牛のうち、肉質が最上級の5ランクか、4ランクのうち脂肪交雑(サシの入り具合)が「7」以上のものを指す、厳選されたブランド牛です。 「かおる」も食べたい |
藤井王位の的確な攻め
76手目の局面で、アマチュアなら王手を優先して「5六金」と指してしまい、
攻めが切れて逆転されてしまう可能性があります。
しかし、藤井王位は慌てることなく「5六歩」と垂らしました。
次に「5七金」や「6五金」といった厳しい攻め筋があり、現時点では「歩」で十分という判断だったのでしょう。
藤井王位の強さは、一度優勢になると、相手に流れを渡さないところにあるのかもしれません。
的確な藤井王位の攻めによって、渡辺九段の陣地は完全に崩壊してしまいました。
1日目の段階では、渡辺九段の守りは鉄壁に見えたのですが…。

2日目午後のおやつ
藤井聡太王位の午後のおやつ | 渡辺明九段の午後のおやつ |
オレンジジュース | 冷やしカヌレ イチゴ味、アップルジュース |
藤井王位の2日目の午後は飲み物が定番ではあるけど、今回はオレンジジュースのみとなりました。お~いお茶があるから、十分かな。 | フランスの焼き菓子を凍らしているので、シューアイスのような感覚で食べられるようです。 「かおる」も食べたい |
渡辺九段 渾身の勝負手「2ニ角」打
後がなくなった渡辺九段は16分考え、渾身の勝負手「2二角」を放ちました。
この手は3二の金でタダで取られてしまいますが、将棋用語で「ただ捨て」と呼ばれる戦術で、
わざと取らせることで相手の玉を詰ます狙いがあります。
実際、この角を3二の金で取ると、藤井玉は詰んでしまいます。
しかし、放っておけば「3一金」から藤井玉が詰まされる可能性もあります。
また、この角は藤井王位の「7七龍」にも狙いがかかっており、時間がなければ焦ってしまう場面です。
しかし、藤井王位は9分考え、自分の勝ちを確認したようです。
詰むか詰まないかに関して、藤井王位の右に出る者はいません。
この冷静な対応に、渡辺九段も勝負ありと感じたようです。

これで藤井王位は3勝となり、永世称号獲得まであと1勝となりました。
9月からはライバルである永瀬九段との対戦が控えており、次戦で防衛を決めたいところです。