2026年1月21日(水)、関西将棋会館にて第11期叡王戦本戦トーナメント2回戦が行われました。
対峙するのは、AI研究の先駆者として知られる千田翔太八段です。
1. 異例の戦型:角換わりでの「藤井穴熊」
振り駒で先手となった藤井竜王名人は、得意の角換わりへと誘導します。
驚いたのはその囲いです。
藤井竜王名人は珍しく「穴熊」を選択し、対する千田八段は「右玉」で対抗する展開となりました。
千田八段は事前の研究通りか、積極的に馬を作って攻勢に出ます。
藤井竜王名人は考慮時間を削られながらも、自陣に引いた「5九角」や、
非常に渋い受けの「46銀」といった好手で、千田八段の猛攻を冷静に受け止めました。
2. プロも絶句した「6五飛」の決断
本局最大のハイライトは終盤に訪れました。
千田八段が放った勝負手に対し、誰もが「と金」を「同金」と取ると予想した局面。
藤井竜王名人が指したのは、なんと「と金」を取らずに飛車をぶつける「6五飛」という驚愕の一手でした,。
この手には解説のプロ棋士たちも「ど肝を抜かれた」
「間違いではないかと思った」と驚きを隠せませんでした。
この一撃で千田八段の攻めを無効化し、一気に藤井ペースへと引き込みました。
3. 完璧な寄せ:131手で掴んだシード権
最後は「5三歩」から「8四角」という、芸術的かつ正確無比な寄せを披露し、
131手で千田八段を投了に追い込みました。
この勝利には、非常に大きな意味があります。
ベスト4進出
伊藤匠叡王への挑戦権獲得まで、あと2勝と迫りました。
来期のシード権獲得
叡王戦はタイトル保持者でもシードされない厳しい棋戦ですが、
ベスト4に入ったことで、来期は予選(九段戦)を免除され、本戦からの出場が確定しました。
4. 次局の展望:永瀬九段との再戦か?
次なる準決勝の相手は、永瀬拓矢九段と山本博志五段の勝者です。
もし永瀬九段が勝ち上がってくれば、先日の王将戦第1局で敗れた借りを返す絶好のリベンジの機会となります。
