かおる

やりました!

叡王戦の前に防衛を決めてくれたので、ファンとしては、ほっとしています。

第81期名人戦第5局が5月26日27日に北海道紋別市「ホテルオホーツクパレス」で行われ先手の藤井聡太名人(21)が豊島将之九段(33)に19時41分、99手で勝利し、4勝1敗で名人位を初防衛、名人獲得2期となりました。

第82期名人戦第5局結果

かおる

本局は藤井名人が得意とする『対抗形』の時点でリラックスして視聴できたよ!

かおる

豊島先生は本来、居飛車党の先生だから、不慣れな点が大きかったかもしれないね。

1日目の進行 藤井名人が振り飛車へ誘導する

この名人戦では、豊島先生がこれまで「飛車を振るぞ、振るぞ」と牽制を続けながら、結局は居飛車で戦っていましたが、本局ではついに四間飛車を採用しました。

振り飛車の出だし、3六歩

上図15手目において、藤井名人は3六歩と突きました。5六歩でも良さそうなところですが、藤井名人は豊島先生に対し、「雁木を組むならガンガン攻めていくよ」と言っている手これが3六歩です。

そこで豊島先生は飛車を振ることになりました。

この時点で藤井名人の名人防衛はほとんど確定したようなものでしょう。

下図を見てください。これは、直近2年間の藤井名人の対抗形の成績です。ほとんど勝利しています。菅井竜也八段は現在、振り飛車の第一人者ですが、彼に2回負けただけです。

2022.2.7角交換型振り飛車藤井聡太王将菅井竜也八段
2024.1.27角交換型振り飛車藤井聡太王将菅井竜也八段
2024.1.20三間飛車藤井聡太王将菅井竜也八段
2024.1.7三間飛車藤井聡太王将菅井竜也八段
2023.9.9四間飛車藤井聡太JT杯覇者菅井竜也八段
2023.7.15
非公式戦
三間飛車藤井聡太竜王名人西田拓也五段
2023.6.17
非公式戦
三間飛車藤井聡太叡王佐々木勇気八段
2023.5.28三間飛車藤井聡太叡王菅井竜也八段
2023.5.6三間飛車藤井聡太叡王菅井竜也八段
2023.4.23三間飛車藤井聡太叡王菅井竜也八段
2023.4.11三間飛車藤井聡太叡王菅井竜也八段
2022.9.1四間飛車藤井聡太竜王久保利明九段
2022.8.10ゴキゲン中飛車藤井聡太竜王菅井竜也八段
2022.6.22向かい飛車藤井聡太竜王佐藤康光九段

対抗形はじりじりした展開が多く、本来はほんの少しのミスが致命傷になり、簡単に勝つことができない戦法です。

しかし、藤井名人は徹底した読みで、プロの中でもダントツにミスの少ない棋士です。そのため、この対抗形は藤井名人の最も得意とする戦法だと言えます。

おやつ

藤井名人のおやつ豊島九段のおやつ
1日目午前 紋太くん塩バターどら焼き
1日目午前 紋太くん塩バターどら焼き
アザラシをあしらった紋別市のキャラクターで、生地にその焼き印が入っているよ。どら焼きはオホーツク産の小麦だって。
「かおる」も食べたい
今回もフルーツ盛り合わせではないね。今回は、おやつを指定されたのかな。
「かおる」も食べたい
1日目午後 オホーツクバスクチーズケーキ1日目午後 オホーツクシフォンセット
藤井先生はチーズケーキが好みなのかな。
渡辺先生は、いちごのショートケーキというイメージだけど。
「かおる」も食べたい
個包装されてますね。
「かおる」も食べたい
2日目午前 アザラシのお昼寝シフォン。米粉のシフォンにクリームチーズや生クリーム、さらに、ごま風味のアザラシクッキーが添えれれています。2日目午前 昭和レトロ花園ぷりん
対局の前日にアザラシシーパラダイスを訪れていたね。
「かおる」も食べたい
懐かしい気がするよ。
「かおる」も食べたい

穴熊に組むための一手を稼ぐ『▲6五歩』

藤井名人は1日目の昼食休憩後、『6五歩』という6筋の歩をタダで取らせる一手を指しました。

まだ穴熊に組んでいない段階で角道を通す怖い手にも見え、先手番で歩損の挽回ができるのか不思議な手に見えましたが、AIの形勢判断は50%でしたので、悪い手ではなかったようです。

また、この歩損をすることでスムーズに穴熊に組むことができたことを考えると、今後、この進行が流行するかもしれませんね。

藤井先生『6五歩』歩をタダで取らせる一手

穴熊完成で、ファンも一安心

ここまでしっかりと穴熊を組むことができれば、簡単には負けないでしょう。この段階で、ファンも安心して視聴できたはずです。

松尾流穴熊完成

穴熊を組んでも、アマチュア同士の対局では攻め続けられてしまい、簡単に負けることもありますが、プロの場合は違います。徹底した守備力を持ち、隙を見せない藤井先生であれば、負けることはほぼありません。

勝負メシ

藤井名人のランチ豊島九段のランチ
1日目 紋別産ずわい蟹(がに)いくら重
「かおる」は、どちらかというと、藤井先生のランチが食べたいかな。
1日目 オホーツク海鮮丼
両者、海の幸です。
絶対、美味しいでしょう。
「かおる」も食べたい
北海道に行きたくなってきました。
「かおる」も食べたい
2日目 勝負師のホタテカレー麻婆豆腐丼
カレーなのか、麻婆丼なのか、欲張りだね。
2日目 紋別産ずわい蟹いくら重
カレーと麻婆ってあまり聞かないけど、どうなんだろう。
「かおる」も食べたい
2日連続の海の幸です。いいなあ。
「かおる」も食べたい

2日目の進行

1日目の午後、豊島先生側にわずかなミスがあり、有利な状況で2日目を迎えました。藤井先生は自陣に馬を引き寄せ、より堅い穴熊を築きました。

決定的な差がついたのは70手目です。ここで8三銀を指せば、まだ展開は未知数でしたが、実際には6六歩と進みました。続く7四金で銀を取られた一手が大きな痛手となりました。

豊島先生側に大きなミス6六歩

その後、藤井先生が一方的な攻撃を展開し、守りに徹する豊島先生が100手目で投了しました。これにより、藤井先生は名人の地位を守りました。2日制の対局では、安心して観ることが出来ますね。

藤井先生は既に名人位を2期獲得しており、少し先の話ですが、2027年春には永世名人になる見込みです。さらに、その際には『二十世名人』という節目の称号を獲得することになります。気が早すぎるでしょうか。

十四世名人木村義雄
十五世名人大山康晴
十六世名人中原 誠
十七世名人谷川浩司
十八世名人森内俊之
十九世名人羽生善治
※十三世名人までは世襲制でした。十四世以降は名人位通算5期獲得で永世名人の資格を得ることが出来ます。