2026年1月25日(日)、NHK杯将棋トーナメント準々決勝第1局が放送されました。

対戦相手は、藤井聡太NHK杯との対局を「ついにこの日が来た!」と熱望していた石川優太五段です。

1. 夢の初手合い:石川五段の熱意と藤井NHK杯の「新構想」

インタビューで「夢にまで見ていた」と語る石川五段に対し、

後手番の藤井NHK杯が用意していたのは、誰もが見たことのない独創的な作戦でした。

石川五段の「先手中飛車」に対し、藤井NHK杯は「端角」から「銀冠」という驚きの構想を披露。

これまでに類を見ない柔軟な指し回しです。

石川五段が堅牢な「穴熊」を築く一方で、藤井玉の横はスースーと心細い形に見えましたが、

これこそが藤井NHK杯の描く「高み」への布石だったのでしょう

端角銀冠

2. 「藤井曲線」の衝撃と、空中に浮かぶ囲い

中盤、気がつけばあっという間に評価値が藤井側に振れる、お馴染みの「藤井曲線」が描かれました。

終盤に定評のある石川五段が猛追を見せ、藤井玉が危なく見える場面もありましたが、

藤井NHK杯は一切ひるまず「強気の攻め」で対応します。

驚かされたのは、玉を上部へ逃がし、空中に囲いを作ってしまうような独特の玉形です。

「この玉形で大丈夫なのか?」という素人の不安を余所に、AIの評価値は優勢を維持したまま。

かつて竜王戦で見せた「中段玉の神髄」を彷彿とさせる、彼にしか指せない芸術的な守りでした。

空中要塞

3. 116手の完勝、次なる戦いへ

最後は石川五段の粘りを振り切り、正確無比な寄せで116手の勝利。

「強い、強すぎる……」と思わず独り言が出てしまうような、圧倒的な内容での準決勝進出です。

次局は、伊藤匠二冠と豊島将之九段の勝者と対局します。

伊藤二冠との「2強時代」の再戦となるのか、あるいは実力者・豊島九段との激突か。

どちらが来てもタイトル戦級の好カードになることは間違いありません。