第96期棋聖戦第1局が6月3日に栃木県日光市「日光金谷ホテル」で行われ、
後手の藤井聡太棋聖(21)が杉本和陽六段(33)に19時15分、144手で勝利し、1勝0敗としました。
次戦は6月18日(水)に兵庫県洲本市「ホテルニューアワジ」で開催されます。

杉本和陽六段とは
杉本和陽(すぎもと かずお)六段は、1991年9月1日生まれ、東京都大田区出身の33歳。
故・米長邦雄永世棋聖門下で、2017年4月1日に25歳でプロ入りした遅咲きの棋士です。棋士番号は310。
今期、見事に棋聖戦の挑戦者決定戦を制し、藤井聡太棋聖への初挑戦を決めました。
これは杉本六段にとって初のタイトル戦となります。この功績により、2025年4月25日付で五段から六段に昇段しました。
杉本六段は、一次予選から勝ち上がり、決勝トーナメントでは前期挑戦者の山崎隆之九段を破るなど、勢いのある将棋を見せています。
特に挑戦者決定戦では、本命と目されていた永瀬拓矢九段との激戦を制しました。
棋風は、振り飛車を主戦法としつつ、相手が振り飛車党の場合は居飛車にする「対抗形党」を自称しています。
得意戦法はゴキゲン中飛車と三間飛車。
粘り強く、長手数を得意とする攻め将棋で、終盤に力を発揮する棋士として知られています。
これまで藤井棋聖との対戦は2局。藤井棋聖の2勝0敗となっています。
棋聖戦の優勝賞金が大幅アップ
将棋ファン必見!今期の棋聖戦がとんでもないことになりました!
なんと、優勝賞金が4,000万円に大増額!
これだけでも驚きですが、特別協賛のヒューリック株式会社から、さらに特別賞として1,000万円も加わります。
つまり、優勝者は合計5,000万円を手にするチャンス!
これは、これまで最高額だった竜王戦の4,400万円を抜き去り、八大タイトル戦でダントツの最高額となります。
賞金が序列を決めるとも言われる将棋界で、棋聖戦が8位から一気に6位へ浮上。
今年の棋聖戦は、これまで以上に熱い戦いが期待できそうですね!
- 1位 竜王戦
- 1位 名人戦
- 3位 叡王戦
- 4位 伊藤園お~いお茶杯王位戦
- 5位 王座戦
- 6位 ヒューリック杯棋聖戦
- 7位 棋王戦コナミグループ杯
- 8位 ALSOK杯王将戦
戦法は三間飛車
本局の先手番は杉本六段!
得意の三間飛車を披露しました。
杉本六段といえば穴熊の名手なので、「お、相穴熊かな?」と誰もが思ったはず。
しかし、本局は意表を突く展開に!
なんと、杉本六段はミレニアム囲い、藤井棋聖は穴熊という布陣に。
この後、杉本六段は飛車を5筋に回して、本格的な攻めを匂わせます。

午前のおやつ
藤井聡太棋聖のおやつ | 杉本和陽六段のおやつ |
金谷チーズケーキ、彩りフルーツ添え アイスティー | 金谷チーズケーキ、彩りフルーツ添え アイスティー ゆずジュース(炭酸) |
チーズケーキは、しっとりとした舌触りと濃厚なチーズの風味が特徴的。 甘さ控えめで、添えられた彩り豊かなフルーツが爽やかなアクセントになっています。 一口食べるごとに広がる上品な味わいは、対局中の集中力を高めるのにぴったりでしょう。 「かおる」も食べたい | なんと!タイトル初挑戦の杉本六段、おやつは藤井棋聖とまさかの同チョイスでした! 特に注目したいのは、炭酸入りのゆずジュース。 この爽やかな刺激が、盤上で良いひらめきをもたらすかもしれませんね! 「かおる」も食べたい |
ランチ
藤井聡太棋聖のランチ | 杉本和陽六段のランチ |
金谷ホテル特製 百年ライスカレー(海老フライ、薬味添え) ウーロン茶(冷) | 『とちぎ霜降高原牛』ロース肉と季節野菜のステーキ丼、味噌汁 金谷りんごジュース |
見るからに贅沢なこの一皿は、大きな海老フライと彩り豊かな薬味が添えられ、 食欲をそそります。 「かおる」も食べたい | 香ばしく焼かれたロース肉と彩り豊かな季節野菜が目に飛び込んできます。 肉厚ながらもとろけるような柔らかさのロース肉は、 噛むほどに上質な旨みが広がり、ご飯との相性も抜群です。 「かおる」も食べたい |
午後のおやつ
藤井聡太棋聖のおやつ | 杉本和陽六段のおやつ |
『金谷 時のプリン』~3つの味の記憶~ 金谷りんごジュース | 『金谷 時のプリン』~3つの味の記憶~ カツサンド アイスティー |
過去の記憶を呼び覚ますかのようなこのプリンは、 藤井棋聖にひらめきをもたらしたかもしれませんね。 見た目も美しく、まさに名局を彩るにふさわしい、贅沢な一品です。 「かおる」も食べたい | 今回も、お二人(藤井棋聖と杉本六段)は仲良く同じメニューを注文されました。 さらに、カツサンドも追加されており、これで腹持ちも万全でしょう。 「かおる」も食べたい |
藤井棋聖が有利に進める
午後4時を回り、盤面は緊迫してきました!注目すべきは大駒の働きです。
藤井棋聖の飛車と角は八面六臂の活躍を見せているのに対し、
先手の大駒はまるで盤の隅に押し込められているかのように窮屈。
さらに、先手の持ち駒に歩がほとんどないのも、攻めを組み立てる上で気になるところです。
一瞬、劣勢?
終盤、お互いの玉を攻め合う展開となり、一時は評価値が40%を下回りました。
ABEMAで解説の屋敷九段も『この形は先手の勝率8割』と語るほど、藤井玉は絶体絶命のピンチに見えました。
実際、勝利後のインタビューで藤井棋聖も読み抜けがあったことを明かし、かなり苦しかったと語っていました。

杉本六段が▲2三金と打った上図の局面は、次に▲1二金の一手詰が迫り、
また受けたとしても2四の角を失うという、まさに絶体絶命のピンチでした。
AIの示す形勢以上に、見る者全てが藤井棋聖の苦境を感じたはずです。
しかし、まさにここからが受け将棋の真骨頂でした。
藤井棋聖は超人的な対応力で盤面を制圧し、わずか10手で圧倒的な優勢へと局面を転換させます。
極めつけは終盤、飛車が寄せに加わる一幕。成り銀を守るための桂馬と差し違える形となりました。

この土壇場での劇的な逆転劇こそ、藤井棋聖の非凡な強さを何よりも雄弁に物語っていたのではないでしょうか。