第66期王位戦第1局が7月5日6日に愛知県小牧市「合掌レストラン大蔵」で行われました。
千日手指直しの末、先手の藤井聡太王位(21)が永瀬拓矢九段(40)に19時51分、89手で勝利し、1勝0敗としました。
次戦は7月15日(火)16日(水)に神戸市北区「中の坊瑞苑」で開催されます。

永瀬九段、まさかの千日手で誤算か? 藤井王位戦、異例の3連続
永瀬九段が珍しい角換わり早繰り銀を採用した本局、午後2時23分、同一局面が4回出現し、61手で千日手が成立しました。
これにより、藤井王位と永瀬九段の対局は、名人戦第4局、第5局に続き、3連続の千日手という異例の事態に。
永瀬九段は千日手を成立させるまでに1時間半ほどを消費しており、この展開には何らかの誤算があったと推測されます。

2日目おやつ
藤井聡太王位のおやつ | 永瀬拓矢九段のおやつ |
「名古屋コーチン 千なり」 「国産レモン LEMONAD」 | 「極ミックス&名古屋コーチンババロア」 「ラッシー~マンゴーのピューレ添え~」 「ブラッドオレンジジュース Yamauchi Farm(愛媛県宇和島)」 「コルシカ島産ミカンジュース Patrick Font(フランス)」 |
「名古屋コーチン 千なり」は、ふんわりとした皮に包まれた上品な甘さの餡が特徴。 名古屋コーチンの卵を使用しているだけあり、 コク深くもしつこくない味わいが、 対局中の短い休憩にホッと一息つく時間を与えてくれたことでしょう。 「かおる」も食べたい | 異なる食感と味わいを一度に楽しめる贅沢な組み合わせ。 さっぱりとしたフルーツゼリーに加え、 地元名古屋の銘品である名古屋コーチンの卵を贅沢に使用したババロアは、 なめらかで濃厚な口当たりと、上品な甘さが特徴だったことでしょう。 張り詰めた対局の合間に、永瀬九段にほっと一息つく時間を提供し、 午後の戦いに向けてのエネルギーチャージになったに違いありません。 「かおる」も食べたい |
2日目ランチ
藤井聡太王位のランチ | 永瀬拓矢九段のランチ |
「大藏名物 黒毛和牛ハンバーグ 王位戦スペシャル 自家製デミグラスソース 小牧の桃とモッツァレラチーズのサラダ クレソンとじゃがいものフライ添え ライス」、 「紅茶 (アールグレイ Earl Grey)Ice」 | 「鮮魚のポワレ ホタテ貝とアワビのグリル ~友好都市八雲町(北海道)から愛をこめて~ 完熟トマトを使用したソースとアワビの肝を使ったソースで(エビフライ付き)、 パンとライス(半分)」、 「コーヒー (トアルコトラジャTOARCO TRAJA)ICE」 「ブドウ畑のピーチネクター Patrick Font(フランス)」 |
メインの黒毛和牛ハンバーグは、ジューシーで食べ応えがあり、 特製の自家製デミグラスソースが肉の旨みを一層引き立てたことでしょう。 対局中のエネルギー補給として申し分ない一品です。 「かおる」も食べたい | メインの**「鮮魚のポワレ ホタテ貝とアワビのグリル ~友好都市八雲町(北海道)から愛をこめて~」は、 北海道八雲町からの新鮮な海の幸をふんだんに使った一品。 ふっくらと焼き上げられた鮮魚に、 香ばしいホタテとコリコリとしたアワビのグリルが添えられ、 海の恵みを存分に味わえたことでしょう。 「かおる」も食べたい |
永瀬九段が攻め続ける展開に
永瀬九段の50手目△5四角に対し、AIは藤井王位やや有利と示していました。
しかし、藤井王位は1時間19分もの大長考の末、▲5六銀とぶつけます。
この手が危険だったようで、
△7六銀▲同銀に△同角と応じた瞬間、▲4七歩打ちが厳しい手となるようです。

永瀬九段が上図のように△4七歩と厳しい手を放ちました。
これに対し、再び大長考になるかと思われましたが、藤井王位は待ってましたとばかりに、わずか19分でまさかの▲2四歩と踏み込んできました。
金取り、銀取りを残したままのこの手は通常では考えにくいものです。
しかし、この短い考慮時間から察するに、藤井王位は▲5六銀と出た時点でこの▲2四歩を読みに入れていたと考えるのが自然でしょう。
とんでもない戦いになってきました。

永瀬九段、長考の末に角を切る 藤井王位の反撃に注目
永瀬九段は43分もの長考の末、角を切り飛ばしました。
これにより、永瀬九段は歩切れにはなりますが、2筋の飛車の直通をしっかりと消すことに成功しました。
現在の盤面を見ると、先手玉(藤井王位)の周辺には、4七の「と金」に加え、
6六の歩、そして8筋の飛車が使える形になっており、かなり危険な状況に見えます。
それに対し、後手玉(永瀬九段)には、4四の歩以外に目立った攻めの拠点がありません。
この状況で、藤井王位が逆転に向けてどのような打開策を見つけ出すのか、そのプランに注目が集まります。

終盤に大逆転
AbemaTVの将棋中継では、解説の深浦九段と聞き手の室谷女流三段が、
時に「わからない」「棋士の先生はすごい」と声を漏らしながら盤面を動かして解説する様子からは、
終盤の難しさがひしひしと伝わってきました。
こうなると、やはり終盤力の差が勝敗を分けるのだと実感させられます。
中盤から永瀬九段がリードを保っていましたが、
72手目△2五歩と取った手がまさかの悪手。
ここから局面は一変し、藤井王位が一気に優勢に。
永瀬九段が盤面に乗り出すほど身を乗り出して考えている様子からは、その焦りが痛いほど伝わってきました。

永瀬九段 最後の勝負に出る
永瀬九段は後がない状況で、わずかな望みにかけ最後の勝負に出ます。まず放たれたのは△6七銀打ち。
これは簡単には取れません。もし取ってしまうと、次に△4九角打ちが王手飛車取りとなるからです。

藤井王位が▲7七玉とかわすと、永瀬九段はすかさず△7六金と王手をかけました。
素人目にはここで▲同金と取ってしまいそうになりますが、
藤井王位は冷静に▲8八玉と逃げます。
一見すると危険な手に見えますが、藤井王位は自信を持って指しているのが伝わってきます。
藤井王位の「最短の寄せ」
藤井王位の残り時間は10分。
まだ詰みの表示が出ていなかったため、時間を使うと思われましたが、
ノータイムで▲2三銀と打ちました。
その手を見た永瀬九段は逆転はないと判断し、すぐに投了の意思表示をしました。
持ち駒が金2枚、銀1枚あったので、素人目には▲2三金と打ってしまいそうになりますが、それだと形勢が一気に戻ってしまうようでした。
最終盤で見せる藤井王位の最短の寄せ。
これが彼の最大の武器だと改めて感じさせられました。
