1. 絶体絶命の王者が放った「魔法」
2026年2月21日、石川県金沢市の「北国新聞会館」。
日本海側の冬の気配が残るこの地で、将棋界の歴史に刻まれるべき「神の一着」が放たれました。
第51期棋王戦コナミグループ杯五番勝負第2局。
竜王・名人など六冠を保持する絶対王者・藤井聡太棋王が、文字通り「絶体絶命」の窮地に立たされていました。
直近の公式戦成績は6勝4敗。
数字上は高水準ながら、永瀬拓矢九段や本局の対戦相手である増田康宏八段といった「藤井対策」を極めた精鋭たちを前に、
かつての圧倒的な勢いに影が差しているのではないか――。
そんなファンの懸念を裏付けるかのように、藤井棋王は序盤で増田八段の研究に嵌り、
対局後に「序盤で失敗した」と吐露するほどの劣勢を強いられます。
持ち時間も大幅に削られ、盤面も時間も「終わった」かに見えたその時、
王者は将棋の重力に抗うかのような魔法を披露しました。

午前のおやつ
| 藤井聡太棋王の午前のおやつ | 増田康弘八段の午前のおやつ |
| フルーツの盛り合わせ、イタリアンモンブラン アイスティー | フルーツの盛り合わせ、伝統のレーズンサンド ココア |
| 「重厚な甘み」を「果実の清涼感」で迎え撃つ、隙のない構成。 リラックスと覚醒を同時に手に入れる、 まさに王者の余裕を感じさせるセットです。 「かおる」も食べたい | 「濃厚な甘み」と「フレッシュな酸味」を組み合わせた、 非常に満足度の高い布陣。 伝統を重んじつつも、しっかりと機能性を追求した、 「落ち着いて盤面に向き合うための、知的なアンサンブル」と言えるでしょう。 「かおる」も食べたい |
2. 「矢倉は終わっていませんでした」:増田八段の執念と研究の牙城
本局は、挑戦者・増田八段による「戦略的Uターン」から始まりました。
かつて「矢倉は終わった」と公言し、将棋界に激震を走らせた若き天才が、
本局で用意した主兵装は皮肉にも「矢倉」だったのです。
増田八段は対局前、自ら「その後、矢倉は終わっていませんでしたと前言を撤回しています」とユーモアを交えて語りましたが、
その中身は冗談では済まない破壊力を秘めていました。
増田八段は39手目の▲35歩から▲25飛と回る鋭い構想で、藤井棋王を未知の領域へ引きずり込みます。
特筆すべきはその「時間差」です。
増田八段がこの局面までわずか4分程度の消費で進めたのに対し、藤井棋王は1時間を超える長考を強いられました。
王者が「歩を1歩、損していて、苦しい、どう頑張るかという将棋」と振り返った通り、
増田八段の執念が生んだ事前研究は、まさに王者の喉元にまで刃を届かせていたのです。
ランチ
| 藤井聡太棋王のランチ | 増田康弘八段のランチ |
| 加賀懐石弁当 椎茸抜き | 加賀懐石弁当 |
| 地元の名産を網羅しつつ、自身の好みに合わせて最適化した「完璧な勝負飯」。 これだけの品数を、椎茸を除いて完璧に調和させる姿は、 まさに藤井棋王の精密な指し回しそのものです。 「かおる」も食べたい | 椎茸を含む全20品目以上を完食する、「一切の妥協なきフルスペック・ランチ」。 加賀の恵みをすべて力に変えて、 増田八段がどのように藤井棋王の牙城を崩しにかかるのか、 期待が高まるセレクトです。 「かおる」も食べたい |
3. 常識を覆す「顔面受け」:中段に躍り出た玉の真意
本局を「歴史的一局」へと昇華させたのが、終盤で飛び出した「△5五玉」という衝撃の玉移動です。
玉を安全地帯に隠すという将棋の定石を根底から覆し、
藤井棋王は自ら玉を盤面の中心――「都(みやこ)」へと躍り出させたのです。
立会人の佐藤康光九段や解説の木村一基九段が驚愕の声を上げたこの「都玉」は、
単なる捨て身の「顔面受け」ではありませんでした。
5五の地点に玉を据えることで、増田八段の5筋への攻めを物理的にブロックし、
同時に自身の攻め駒と連携させる「防壁としての玉」という高度な概念に基づいたものです。
この一着がなければ、藤井玉は自陣で無惨に討ち取られていたでしょう。
敵陣の喉元へ自ら突き進むことで、
追う側であった増田八段を逆に「捕まらない玉」の絶望感へと突き落としたのです。
午後のおやつ
| 藤井聡太棋王の午後のおやつ | 増田康弘八段の午後のおやつ |
| フルーツの盛り合わせ、能登塩プリン アップルジュース | フルーツの盛り合わせ、能登塩プリン ホットミルク |
| 「塩」の魔法で甘みを際立たせ、「果汁」で頭を冷やす。 終盤の入り口で、あえて重すぎないメニューを選び、 「極限の読み」に全神経を集中させるための 戦略的なセットと言えるでしょう。 「かおる」も食べたい | 能登塩プリン:とろけるようなプリンの濃厚な甘みを、 微かな塩気がキリッと引き締め、素材のコクを最大限に引き出します。 後味が驚くほどスッキリしており、集中力を切らさない絶妙な仕上がりです。 「かおる」も食べたい |
4. シリーズは1勝1敗の振り出しへ
18時52分。増田八段の投了により、激闘に幕が下ろされました。
序盤の研究で圧倒されながらも、中段玉という異次元の構想で逆転を収めた藤井棋王。
これにより、シリーズ成績は1勝1敗のタイとなり、
棋王戦は実質的な「三番勝負」として仕切り直されることになります。
注目の第3局は3月1日、新潟県新潟市の「新潟グランドホテル」で開催されます。
