1. 和歌山で迎えた、藤井聡太王将史上初の窮地

和歌山県和歌山市、徳川御三家の威風を今に伝える「和歌山城ホール」。

この歴史的な舞台で、将棋界を揺るがす未曾有のドラマが進行しています。

ALSOK杯第75期王将戦七番勝負、第4局。

絶対王者・藤井聡太王将に、永瀬拓矢九段が挑むこのシリーズは、今まさに「歴史の転換点」を迎えようとしています。

盤上に漂うのは、これまでの藤井将棋の歴史では見られなかった異様な緊張感です。

無敵を誇った絶対王者が、ついにその牙城を脅かされ、防衛ロードにおいてかつてない窮地に立たされています。

第75期王将戦第4局1日目

午前のおやつ

藤井聡太王将の午前のおやつ永瀬拓矢九段の午前のおやつ
太閤秀吉への献上羊羹
挽きたて葦辺の白(和三盆つきの抹茶)
いちご大福串
一手みかん大福
きよみオレンジの和歌山アイスティー
和歌山産まりひめいちご100パーセントジュース
コーヒースターズ(ホット)
「献上」の名に恥じない重厚な羊羹を、最高鮮度の抹茶で迎え撃つ。
まさに「王者の風格」漂う組み合わせです。
伝統の味を味方に、藤井王将の読みもより一層深まりそうな、
隙のない構成と言えます。
「かおる」も食べたい
果物・和菓子・和洋中の飲み物すべてを盤上に揃える姿は、
まさに「一分の隙もない補給の鉄壁」。
これだけの量を摂取してもなお、勝利への渇望が上回るという気迫すら感じさせる、
圧巻のセレクトです。
「かおる」も食べたい

2. 史上初、藤井王将が背負う「1勝2敗」の重圧

藤井王将にとって、本局はキャリア最大の試練と言っても過言ではありません。

第3局を終えた時点でのスコアは1勝2敗。

実は、七番勝負という長丁場のタイトル戦において、藤井王将が「先に2勝を許してリードを奪われる」という展開は、

彼の全タイトル戦キャリアを通じて「史上初めて」の出来事なのです。

これまでは常に先行逃げ切り、

あるいはタイに持ち込む安定感を見せてきた藤井王将ですが、今回は追いかける立場。

永瀬九段が本局を制すれば、スコアは3勝1敗となり、タイトル奪還に「王手」がかかります。

これまで経験したことのない「負け越し」の重圧が、王者の肩に重くのしかかっています。

ランチ

藤井聡太王将のランチ永瀬拓矢九段のランチ
彩り天丼~和歌の浦~南紀串本よしだ本鮪重~極~
デュッセル流・和歌山ドライフルーツケーキ
コーヒースターズ(ホット)とスイーツ
彩り豊かな具材は、まさに「多種多様な駒」を使いこなす藤井将棋のよう。
衣のサクサク感で脳を刺激し、しっかりとした食べ応えで午後の大長考を支える、
「攻めの姿勢を崩さない、盤石の勝負飯」と言えるでしょう。
「かおる」も食べたい
紀伊半島の海の幸を「極」め、洗練されたスイーツで脳に活力を与える。
「スタミナ、スピード、糖分」のすべてをMAXまで引き上げる、
まさに勝負を終わらせにいくためのフルコースです。
「かおる」も食べたい

3. 稲葉八段も驚愕した、永瀬九段の「援軍」を呼ぶ工夫

戦型は現代将棋のメインテーマである「角換わり腰掛け銀」。

しかし、そこには永瀬九段による驚くべき「藤井研究」が隠されていました。

定跡では金の配置を「6二」とするのが一般的ですが、

永瀬九段は「7二金型」のまま「6五歩」と位を取るという、極めて珍しい構想を披露しました。

この狙いについて、立ち会い人の稲葉陽八段は以下のように述べています。

「7二金型のまま位を取るのは非常に珍しい。現代の角換わりのメインテーマからは少し外れている印象を受ける」

この形の真意は、将来的に飛車を6筋へ回した際、7二の金が厚みとなり、前線へ「援軍」を送りやすくすることにあります。

王道の定跡からあえて外れ、自身の研究範囲に引きずり込む。

永瀬九段の凄まじい執念が、この「7二金」という一手には込められていました。

午後のおやつ

藤井聡太王将の午後のおやつ永瀬拓矢九段の午後のおやつ
チョコプリン和歌山ア・ラ・モード
きよみオレンジの和歌山アイスティー
いちご大福串、一手みかん大福2個
和歌山産まりひめいちご100パーセントジュース
あら川の桃60パーセント果汁入りドリンク
コーヒースターズ(ホット)
午前中の伝統的な和菓子から一転、午後はモダンな洋スイーツへ。
チョコの「癒やし」とフルーツの「閃き」を同時に取り入れる、
「柔軟な思考を支えるためのタクティカル・デザート」と言えるでしょう。
「かおる」も食べたい
3つの大福、2つの濃厚ジュース、そしてコーヒー。
まさに「盤上の駒をすべて使い切る」かのような、エネルギー補給の総力戦。
永瀬九段の「1ミリも妥協しない姿勢」が、このメニュー表に凝縮されています。
「かおる」も食べたい

4. 永瀬九段が放つ「ノータイム」の洗礼。時間の暴力

1日目の対局を象徴していたのは、両者の持ち時間の極端なコントラストです。

藤井王将が一手に対して34分、51分と、盤上の真理を求めて深い長考を重ねるのに対し、

永瀬九段は恐ろしいほどのハイペースで指し進めました。

特筆すべきは、永瀬九段が夕方近くになっても、一手1分以内で指す「ノータイム」を継続したことです。 

序盤から中盤にかけて、藤井王将が1時間以上を消費して正解を必死に捻り出す傍ら、

永瀬九段の消費時間はわずか15分程度。

これは単なる研究の深さの誇示ではありません。

「自分にはまだ時間がある、お前にはない」という強烈な心理的圧力をかけ、

2日目に持ち時間を温存するための、永瀬九段による「時間の暴力」とも呼べる戦術でした。

5. 藤井王将が放った「毒饅頭」、AIを超えた4七銀

永瀬九段の研究に圧倒されているかに見えた藤井王将ですが、中盤に驚愕の一手を放ちます。それが「4七銀」です。

この手は、AIの最善手ではないものの、極めて対人心理を突いた「毒饅頭」でした。

もし永瀬九段がその誘いに乗り踏み込んでくれば、

藤井王将は「2四歩」の突き捨てから大胆な「角銀交換」を挑み、一気にカウンターを狙う読み筋を描いていました。

研究を外されてもなお、地力のみでAIの正解を叩き出し続ける。

絶対王者の意地が、この一手には凝縮されていました。

6. 「封じ手」が握る、将棋界の歴史的転換点

激動の1日目は、18時ちょうど、永瀬九段が68手目を封じて終了しました。

特筆すべきは、1日目の終盤における劇的な評価値の変動です。

当初、藤井王将が勝率55%とわずかにリードしていましたが、

中盤のねじり合いを経て、永瀬九段が55%と評価値をひっくり返しました。

わずか10%の変動ですが、この「逆転」という事実が持つ意味は小さくありません。

周到な研究で「絶対王者」を追い詰め、ついにリードを奪って1日目を終えた永瀬九段。

このまま永瀬九段が悲願の王座奪還へと突き進み、王手をかけるのか。

それとも、藤井王将が2日目に王者の真髄を見せ、タイに戻すのか。

将棋界の勢力図が塗り替えられるかもしれない歴史的決戦、その結末から目が離せません。